2026年の北海道の秋鮭は、記録的な不漁になると予測されています。
北海道へ戻ってくる秋鮭の来遊予測は約365万尾。
記録的な低水準だった前年から、さらに大きく減少する見通しです。
ところが、2026年9月に実際の秋鮭漁が始まると、少し意外な数字が出てきました。
9月10日までの北海道全体の沿岸漁獲尾数は約79万7,000尾。
前年の同じ時期と比べると、約41%増えているのです。
「あれ?2026年は記録的不漁じゃなかったの?」
「もしかして秋鮭が戻ってきた?」
そんな疑問を持つ人もいるでしょう。
今回は、2026年9月に公表された最新の秋鮭漁獲速報をもとに、秋鮭漁が本当に回復しているのか、今後どうなる可能性があるのかを整理します。
- 2026年9月10日までの秋鮭漁獲は約79万7,000尾
- 金額は前年同期比67.5%増
- 2026年の秋鮭は「回復した」と言える?
- 来遊予測は依然として約365万尾
- なぜ「不漁予測」なのに序盤は前年より獲れた?
- 2025年のスタートが特に悪かったことにも注意
- 2026年序盤を支えているのはオホーツク
- オホーツク東部では前年同期の2倍以上
- 一方で減っている地域もある
- 根室では前年同期を上回る
- 序盤好調でも価格は安くなっていない
- 初競りでは過去10年で最高値
- 秋鮭漁はこれからが重要
- 「遅れて戻ってくる」可能性も見る必要がある
- 2026年の秋鮭は「予測」と「実績」の両方を見る年
- 次の漁獲速報で確認したいポイント
- 生筋子やいくら価格にも関係する
- まとめ
2026年9月10日までの秋鮭漁獲は約79万7,000尾
北海道が公表した2026年9月上旬の秋さけ漁獲速報によると、9月10日までの全道の沿岸漁獲尾数は79万7,363尾でした。
前年同期は56万5,024尾。
前年と比べて41.1%増えています。
| 期間 | 沿岸漁獲尾数 |
|---|---|
| 2025年9月10日まで | 565,024尾 |
| 2026年9月10日まで | 797,363尾 |
| 前年同期比 | 41.1%増 |
記録的不漁が予測されていた2026年としては、少し意外なスタートです。
金額は前年同期比67.5%増
増えているのは漁獲尾数だけではありません。
9月10日までの漁獲金額は約35億200万円。
前年同期の約20億9,000万円から67.5%増加しました。
尾数の伸びが41.1%なのに対し、金額は67.5%増。
単純に魚が多く獲れたことだけでは説明できません。
秋鮭の高値も、漁獲金額を押し上げていることが分かります。
2026年の秋鮭は「回復した」と言える?
現時点で「2026年は秋鮭が回復した」と判断するのは早すぎます。
今回確認できた数字は、9月1日から10日までのシーズン序盤の漁獲状況です。
秋鮭漁はその後も続きます。
年間の来遊数や最終的な漁獲量を判断するには、今後の漁獲推移を見る必要があります。
「9月上旬は前年より多かった」という事実と、「2026年シーズン全体が回復した」という評価は分けて考えることが重要です。
来遊予測は依然として約365万尾
シーズン前に示された2026年の秋鮭来遊予測は約365万尾です。
前年の来遊実績から大きく減少する非常に厳しい予測となっています。
9月上旬の漁獲が前年を上回ったからといって、この来遊予測そのものが自動的に変更されたわけではありません。
今後の実際の漁獲や河川への回帰状況を見ながら、予測と実績の差を確認していく必要があります。
なぜ「不漁予測」なのに序盤は前年より獲れた?
理由のひとつは、来遊予測と旬ごとの漁獲速報が見ているものの違いです。
来遊予測はシーズン全体で北海道へ戻ってくる秋鮭を予測したものです。
一方、今回の漁獲速報は9月10日までに実際に沿岸で漁獲された秋鮭の数字です。
秋鮭が沿岸へ近づく時期や漁場は、海況などによって変化する可能性があります。
ある時期の漁獲が多かったとしても、それがシーズン全体の資源量をそのまま表しているとは限りません。
2025年のスタートが特に悪かったことにも注意
前年比を見るときには、比較対象となる2025年の状況も考える必要があります。
2025年は北海道の秋鮭が記録的な低水準となった年です。
2026年9月上旬が前年同期比41.1%増だったとしても、それだけで「平年並みに戻った」という意味にはなりません。
前年が非常に少なかったため、前年同期比では大きな増加率が出る場合があります。
2026年序盤を支えているのはオホーツク
北海道全体の数字を押し上げている大きな要因が、オホーツク海側です。
9月10日までのオホーツク海区の秋鮭漁獲は59万4,550尾。
前年同期から67.6%増えました。
北海道全体の79万7,363尾のうち、約4分の3がオホーツク海区で漁獲された計算になります。
つまり、2026年序盤の「全道41%増」は北海道全域で均等に秋鮭が増えているわけではありません。
オホーツク東部では前年同期の2倍以上
特に伸びが大きかったのがオホーツク東部です。
9月10日までの漁獲尾数は21万3,438尾。
前年同期の8万8,639尾から140.8%増えました。
| 地域 | 2026年9月10日まで | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 北海道全体 | 797,363尾 | 41.1%増 |
| オホーツク海区 | 594,550尾 | 67.6%増 |
| オホーツク東部 | 213,438尾 | 140.8%増 |
シーズン序盤では、オホーツク海側の好調が非常に目立っています。
一方で減っている地域もある
オホーツクが好調だからといって、北海道全体で同じ状況になっているわけではありません。
えりも以西や日本海側などでは、前年同期を大きく下回る地域もあります。
つまり2026年の秋鮭漁は、地域差がかなり大きい状態でスタートしています。
「北海道で秋鮭が41%増えた」という数字だけを見ると全道的な回復に見えますが、内訳を見ることが重要です。
根室では前年同期を上回る
根室海区でも、9月上旬の漁獲は前年同期を上回りました。
9月10日までの漁獲尾数は5万483尾で、前年同期比16.6%増です。
ただし根室でも地区によって状況は異なり、一部では前年を下回っています。
同じ海区の中でも漁獲状況に差があることが分かります。
序盤好調でも価格は安くなっていない
「前年より41%多く獲れているなら、秋鮭も安くなるのでは?」と思うかもしれません。
ところが、2026年9月上旬の段階では価格は依然として高い状況です。
全道の漁獲金額は前年同期比67.5%増と、漁獲尾数以上の伸びを示しています。
2026年は来遊予測そのものが非常に低いため、市場では秋鮭の供給不足への警戒が続いています。
序盤の漁獲増だけでは、価格を大きく押し下げるほどの安心材料にはなっていないと考えられます。
初競りでは過去10年で最高値
2026年9月3日に札幌市中央卸売市場で行われた初競りでは、ブランド秋鮭「銀聖」などが1kg18万8,888円という高値で競り落とされました。
前年の最高値を上回り、過去10年で最高値です。
ただし、これはシーズン開始時の初競りについた特別な価格です。
一般的な秋鮭の市場価格やスーパーでの販売価格を示す数字ではありません。
初競り価格と通常の相場は分けて考えましょう。
秋鮭漁はこれからが重要
2026年9月上旬の結果は、少なくとも「北海道全体で前年より悪いスタートだった」という状況ではありませんでした。
しかし、シーズン全体から見ればまだ序盤です。
特に2026年は来遊予測が記録的な低水準となっているため、今後も同じペースで漁獲が続くかが重要になります。
オホーツク海側の好調が続くのか。
序盤に低迷している地域で秋鮭が増えてくるのか。
今後の旬報で確認していく必要があります。
「遅れて戻ってくる」可能性も見る必要がある
秋鮭が北海道沿岸へ戻ってくる時期は、毎年まったく同じとは限りません。
海水温や海流などの環境によって、沿岸へ近づくタイミングが変わる可能性があります。
そのため、ある地域で9月上旬の漁獲が少なくても、その後に増える可能性はあります。
逆に序盤が好調でも、後半まで同じペースで続くとは限りません。
旬ごとの数字を積み重ねて見ることが大切です。
2026年の秋鮭は「予測」と「実績」の両方を見る年
2026年の秋鮭は、少し特殊な状況になっています。
シーズン前の来遊予測は約365万尾という記録的な低水準。
一方、実際に漁が始まった9月上旬は、全道で前年同期比41.1%増となりました。
一見すると矛盾しているようですが、予測はシーズン全体、旬報は特定期間の実績です。
どちらか一方だけを見るのではなく、両方を追うことで2026年の秋鮭漁の実態が見えてきます。
次の漁獲速報で確認したいポイント
今後の北海道の秋さけ漁獲速報では、いくつか注目したいポイントがあります。
- 全道の累計漁獲尾数が前年を上回り続けるか
- オホーツク海側の好調が続くか
- 序盤に減少した地域で漁獲が伸びるか
- 漁獲金額や秋鮭価格がどう動くか
- 最終的な来遊数が事前予測とどの程度違うか
特に全道合計だけでなく、地域別の数字を見ることが重要です。
生筋子やいくら価格にも関係する
今後の秋鮭漁獲量は、生筋子やいくらにも影響します。
2026年9月には、国産生筋子が前年より大幅に高くなっている例も確認されています。
秋鮭の水揚げが増えれば、生筋子の供給量が増える可能性があります。
一方、年間を通して秋鮭が少なければ、新物いくらの原料不足は続く可能性があります。
秋鮭の旬報は、魚本体だけでなく秋の魚卵相場を見るうえでも重要な数字です。
まとめ
2026年の北海道の秋鮭は、シーズン前に約365万尾という非常に厳しい来遊予測が示されました。
しかし9月10日までの実際の沿岸漁獲尾数は79万7,363尾。
前年同期の56万5,024尾から41.1%増えています。
特にオホーツク海区が前年同期比67.6%増と好調で、全道の漁獲増を大きく支えています。
一方、前年を下回っている地域もあり、北海道全域で秋鮭が回復したとはまだ言えません。
さらに、比較対象となる2025年自体が記録的な不漁だった点にも注意が必要です。
2026年は「来遊予測365万尾」という厳しい見通しと、「序盤は前年同期を上回った」という実績が同時に存在しています。
秋鮭が本当に回復する兆しを見せるのか。
今後公表される北海道の秋さけ漁獲速報で、シーズンの推移を追っていく必要があります。

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