こんにちは、tekowaです。
皆さん、最近玉ねぎが高くありませんか?玉ねぎと言えば、年中色々な料理に使う常備野菜…しかも今って新玉ねぎの季節。にも関わらず、価格は高騰しています。
具体的には、今年の玉ねぎは例年の3~4倍と言われています。なぜ、そんなに高騰しているのでしょうか?
上海ロックダウン
皆さんは上海ロックダウンをご存知ですか?どうやら玉ねぎの高騰はこの上海ロックダウンが関係しているようなので、見ていきましょう。
2022年3月28日のニュースによるとこの日からロックダウンは始まったようです。以下引用させていただきました。引用:讀賣新聞
中国最大の経済都市・上海市は28日から、新型コロナウイルスの感染急拡大を受け、市内を二つの区域に分けて順番にロックダウン(都市封鎖)を始めた。封鎖中は外出を原則禁止し、地下鉄やバスの運行を止め自家用車も禁止する。
医療従事者や宅配業者など生活に必要な事業以外は出勤できなくなり、経済活動への影響が懸念される。
市中心部を流れる黄浦江を境に東西に分け、東部は28日~4月1日、西部は1~5日の96時間ずつ封鎖する。
封鎖中に上海市の全住民約2500万人を対象にPCR検査を行う。検査は主に集合住宅地ごとに実施するという。
日本外務省によると、上海市の在留邦人数は昨年10月時点で約3万8000人で、日本企業の拠点数は2017年の調査で約1万だった。
上海市はこれまで感染者が確認された地域を細かい住所単位で封鎖し、感染拡大を食い止めてきた。だが3月中旬から感染力の強い変異株「オミクロン株」が広がり、27日の新規感染者数は3500人と過去最多を記録した。うち無症状感染者が約9割を占めた。
中国全体でも今月は感染が拡大し、深セン市などが都市封鎖した。上海市の場合は経済への影響が大きいため、都市封鎖はせず感染者が見つかった地区ごとに封鎖してきた。だが感染に歯止めがかからず都市封鎖に踏み切った。
習近平 国家主席は17日、感染を徹底して封じ込める「ゼロコロナ政策」の維持を改めて指示していた。
この記事からもわかるように、新型コロナの感染拡大に伴い、やむを得ずロックダウンに踏み切ったようです。この記事では当初は短期間のロックダウン予定だったようですが、実際は2022年6月1日に解除されるまで、約2ヶ月間もロックダウンされていたようです。
それでは、これによってなぜ玉ねぎは高騰したのでしょうか?
上海という都市の重要性
では上海がロックダウンしたことにより、なぜ玉ねぎは高騰したのでしょうか?
これには上海という都市の重要性を理解しなければなりません。私もこういう話は苦手なのですが、なぜ玉ねぎがこんなに高騰するのか気になるので頑張って調べてみました。
こちらも引用させていただきました。引用:JETRO
2020年の新型コロナ感染拡大初期には、中国全土で工場の生産などの経済活動が止まったため、上海市の役割や機能といったことに焦点が当たることは少なかったが、今回は上海市が封鎖管理となったことで、その果たしている役割の大きさがあらためて浮き彫りになった。
上海市の2021年のGRPは4兆3,215億元(約86兆4,300億円、1元=約20円)で、中国全体の3.8%を占める。比較的大きな比率に見えるが、同じく華東地域の江蘇省、浙江省、安徽省と比べると、特別大きいわけではない。貿易総額も4兆610億元、中国全体の10.4%と比較的大きな位置を占めるが、江蘇省、浙江省のほうが金額、占める割合ともに大きい。しかし、輸出入の窓口という観点に立ってみると、上海市の重要性が際立ってくる。
税関総署の統計で税関別の貿易額をみると、上海市を管轄地域とする上海税関の貿易額は2021年に7兆5,743億元で、中国全体の19.4%を占め、江蘇省、浙江省、安徽省をそれぞれ管轄する南京税関、杭州税関、寧波税関、合肥税関の合計をも上回る規模にある。上海税関の取り扱い規模が大きい要因として、華東地域の輸出入貨物が物理的に上海に運ばれ、上海税関を通して輸出入されている可能性が挙げられる。
コンテナ貨物については、自動化された港湾として巨大な取扱量を誇る洋山港を擁する上海港が2021年のコンテナ取扱量も世界第1位で12年連続トップとなっている。コンテナ取扱量は4,703万TEU(20フィートコンテナ換算)で、中国全体の16.6%を占める。
封鎖管理の期間中も税関や港湾関係者は勤務を継続しており、空港や港湾での貨物輸出入などは行われている。しかし、トラック運転手が封鎖区域から出られない、あるいは港湾の出入りに通行許可証が必要といった状況で、輸出する貨物を港湾まで運ぶことができない、または輸入しても貨物を港湾から自社倉庫まで運び出せないといった事態が生じている。このように物流機能が制限されているため、一部自動車メーカーでは日本に必要な部品を届けることができず、工場の稼働停止を余儀なくされているという。また、日本から必要な部品が届かず、中国の工場が稼働停止に追い込まれるケースもあり得る。
上海市の封鎖管理は経済、とりわけ物流を通じてサプライチェーンに大きな影響を与えている。封鎖期間が延びるほど影響が拡大し、中国経済のみならず、日本経済や世界経済にもサプライチェーンの混乱を及ぼす懸念がある。
この記事によると、上海にある港は、輸出入に関して重要な役割を果たしており、今回その港が物流制限を受けたことにより、日本にも大きな影響を受けている、ということなのです。
具体的には自動車メーカーに必要な部品が届かないというのが挙げられていましたね。それでは他にはどんな影響が日本にでているのでしょうか?
上海ロックダウンによる具体的な日本への影響
先程の記事でも述べられているように、まず、自動車メーカーに必要な部品が届かないということが挙げられますね。
他にはどんな影響があるのでしょうか?
5月28日付の東京新聞によると家電製品に影響が出ているといいます。
新型コロナウイルスの封じ込め政策をとる中国が上海市のロックダウン(都市封鎖)を始めてから28日で2カ月となり、日本の製造業や商品流通に深刻な影響を及ぼしている。部品の生産や輸送が滞り、家電販売店では新製品を入荷しづらい状況が続く。品薄感から一部では旧型製品の値上がりも観測されている。
(中略)
品ぞろえの悪化が目立つのが洗濯機。売れ筋の日立とパナソニック製の商品がそれぞれ8機種ずつ、4月下旬から供給されなくなった。半導体製品や電子部品のメーカーが集まる上海や周辺都市の封鎖によって、日本企業の工場でも操業が大幅に制限され、輸送も停滞しているためだ。
夏場を前に買い替えが盛んになるエアコンも、今年発売の新モデルの入荷が滞りがちとなり、旧モデルの在庫品を買う傾向が強まっている。購買支援サイト「価格.com」の集計では、通常は値下がりしやすい前年モデルで、この3カ月間に最安価格が2割ほど上がった例があった。
(中略)
中国の「ゼロコロナ」政策の影響は、中国から部品を輸入する中小の製造業や建設業などにも及ぶ。本紙と城南信用金庫が今月、東京や神奈川の中小企業約800社に実施したアンケートでは、7割が原材料や部品の不足、調達遅延の「悪影響がある」と回答した。
アンケートでは、「材料が手に入らず受注を延期・停止した」「仕入れ価格が上がって利益を押し下げている」といった声が相次いだ。こうした声に対し、松野博一官房長官は27日の記者会見で「資源エネルギーや半導体製造用の希少なガスなどについて、供給源の多角化や国内生産設備の増強支援などを実行している」と説明した。
この記事では具体的に家電製品が取り上げられていますがそれだけでなく様々な製造業・生産物流に影響をもたらしていることがわかります。
上海港の物流制限によって、日本は大きな影響を受けていますね…そして、今回の本題、なぜ玉ねぎは高騰しているのか、見ていきたいと思います。
上海港の物流制限によって玉ねぎが高騰する理由
上海がロックダウンされたことにより、日本にも製造業・生産物流に大きな影響があることがわかりました。玉ねぎの高騰に関しては、この上海ロックダウンともう1つ理由が重なっているようです。以下2022年5月10日の日テレニュースより引用させていただきました。
なんと、天候不良によって国産の玉ねぎは不作、上海ロックダウンにより、安価な中国産は入ってこないということで、値段が高騰していたようです!
まとめ
今回は玉ねぎ高騰理由を探るために随分と遠回りしてしまいましたが、まとめておきたいと思います。
上海ロックダウンは2022年3月28日~5月31日まで約2ヶ月間続いた。
上海ロックダウンにより、世界有数の上海税関の輸出入が制限され物流制限が起きた。
具体的には自動車の1部部品、家電製品の半導体等が日本に輸入されなくなり、特に家電製品は品薄になった。
玉ねぎは上海ロックダウンにより安価な中国産が輸入されなくなったことに加え、今年の天候不良により国産玉ねぎが不作になったことにより、価格高騰している。
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