道路の雪に塩をまくのはなぜ?氷が溶ける仕組みを調べる自由研究

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雪が降った日の道路で、白いつぶのようなものがまかれているのを見たことはありませんか?

道路の凍結対策には塩化ナトリウムや塩化カルシウムなどを含む凍結防止剤・融雪剤が使われることがあります。

でも、ここで不思議なことがあります。

どうして「塩」をまくと雪や氷が溶けやすくなるのでしょうか?

その秘密は、水の凍る温度にあります。


この自由研究は何日かかる?

  • おすすめ学年:小学3~6年生
  • 実験時間:30分~1時間程度
  • まとめ時間:30分~1時間程度
  • 材料のそろえやすさ:★★★★★
  • 結果の見やすさ:★★★★★
  • 理科度:★★★★★

家庭にある氷と食塩を使えるので、 短時間で結果を出しやすい自由研究 です。


まず予想してみよう

疑問予想
氷に塩をかけるとどうなる?
塩なしの氷と溶け方は違う?
氷+塩の温度はどうなる?
砂糖でも同じことが起こる?
塩を増やせば増やすほど効果が続く?

まず結論|塩が溶けると水の凍る温度が下がる

純粋な水は通常、約0℃で凍ります。

ところが水に塩などが溶けると、 水が凍り始める温度が0℃より低くなります。

このように、物質が溶けることで液体の凝固点が下がる現象を、 凝固点降下 といいます。

氷の表面にはわずかな液体の水が存在します。 そこへ塩が溶けると食塩水になり、純粋な水より低い温度まで凍りにくくなります。

その結果、条件によって氷が溶ける方向へ変化しやすくなるのです。


「塩が氷を熱で溶かしている」わけではない

塩をかけると氷が溶けるので、

「塩が氷を温めたのかな?」

と思うかもしれません。

しかし、塩そのものが熱くなって氷を溶かしているわけではありません。

ポイントは、 水と塩が混ざったことで凍る温度が変化すること です。


実験① 塩あり・塩なしで氷を比べよう

用意するもの

  • 同じくらいの大きさの氷
  • 食塩
  • 同じ容器2個
  • 計量スプーン
  • タイマー
  • キッチンスケール(あれば)

やり方

  1. できるだけ同じ大きさの氷を2個用意する
  2. 同じ容器へ1個ずつ入れる
  3. Aはそのままにする
  4. Bには決めた量の食塩をかける
  5. 同時にタイマーをスタートする
  6. 5分ごとに氷の様子を観察する
時間A:塩なしB:塩あり
0分
5分
10分
15分
20分

写真も同じ位置から撮影しておくと、 氷の大きさや周囲にできた液体の違い を比較しやすくなります。


公平な実験にするには?

比較実験では、 調べたい条件以外をできるだけ同じにする ことが大切です。

  • 同じ製氷皿で作った氷を使う
  • 同じ容器を使う
  • 同じ場所に置く
  • 同時に冷凍庫から出す
  • 同じ時間に観察する

これなら大きな違いは、 「塩を加えたかどうか」 になります。


実験② 温度を測ってみよう

温度計があれば、 氷だけの場合と、氷+塩の場合 の温度も比べてみましょう。

時間氷だけ氷+塩
0分
2分
5分
10分

氷と塩を混ぜたものでは、 0℃より低い温度が観察できることがあります。

実際に何℃になるかは、氷と塩の割合や最初の温度、周囲の環境などによって変わります。


氷が溶けているのに温度が下がる!?

ここが、この実験の面白いところです。

普通は、

「氷が溶ける=暖かくなった」

と思いがちです。

ところが氷が水になるためには、 周囲からエネルギーを受け取る必要があります。

氷と塩の組み合わせでは、凝固点が下がることで氷が溶けやすくなり、その過程で周囲から熱を奪うため、混合物の温度が大きく下がることがあります。

これを利用すると、 冷凍庫を使わずにアイスを作る実験 もできます。

以前の「氷と塩でアイスを作る自由研究」と、同じ科学につながっています。


実験③ 塩の量を変えたらどうなる?

余裕があれば、塩の量を変えて比較してみましょう。

例えば同じ量の氷を使い、

  • A:塩なし
  • B:塩 少量
  • C:塩 中くらい
  • D:塩 多め

として、温度や溶け方を記録します。

条件塩の量最低温度氷の様子
A0
B
C
D

ただし、 塩を増やせば無限に温度が下がり続けるわけではありません。

溶けることのできる塩の量や、水と塩の割合などによって限界があります。


道路でも食卓の塩をまいているの?

道路の凍結対策では、家庭で料理に使う食塩と同じ塩化ナトリウムが使われる場合もありますが、 塩化カルシウムなど別の物質 も使われます。

地域や気温、目的などによって使われるものは異なります。

そのため、 「道路にまかれている白い粒は全部食塩」ではありません。

塩化カルシウムって何?

塩化カルシウムは、道路の凍結対策などに使われることがある物質です。

水に溶けるときに熱を発生させる性質もあり、さらに水の凝固点を下げるため、凍結対策に利用されます。

ただし、 道路用の凍結防止剤・融雪剤は食品ではありません。

自由研究では道路にまかれているものを拾って実験したり、触ったりせず、 家庭にある食用の食塩 を使いましょう。


では「塩化ナトリウム」と「塩化カルシウム」はどっちがいい?

どちらにも特徴があり、 気温や目的、費用、道路や周囲への影響など を考えて使われます。

自由研究では、

「道路には食塩だけではなく、いろいろな凍結防止剤が使われることがある」

まで調べれば十分です。

※塩化カルシウム比較は新記事にしません。ここで回収します。


砂糖でも氷は溶ける?

「水に何かを溶かすと凝固点が下がるなら、砂糖でもいいの?」

これは良い疑問です。

砂糖など、水に溶けるほかの物質でも、 凝固点降下は起こります。

そこで、食塩と砂糖を比べる実験もできます。


実験④ 塩と砂糖を比べよう

同じ大きさの氷を3個用意して、

  • A:何もかけない
  • B:食塩
  • C:砂糖

を比較します。

時間何もなし食塩砂糖
0分
5分
10分
15分

同じ重さを加えても、物質の種類によって溶け方や凝固点への影響は同じとは限りません。

高学年なら、 「なぜ同じ重さでも違うのだろう?」 まで考えてみると発展的な研究になります。


なぜ塩と砂糖では効果が違うの?

凝固点降下では、 水の中にどれだけの溶けた粒子が存在するか が重要になります。

食塩は水に溶けると、主にナトリウムイオンと塩化物イオンに分かれます。

一方、砂糖は食塩とは異なる溶け方をします。

さらに同じ1gでも物質によって粒子の数は同じではありません。

そのため、 「同じ重さを入れたから効果も同じ」とは限らない のです。


ものすごく寒い日でも塩をまけば絶対に溶ける?

いいえ。

凝固点を下げられる範囲にも限界があるため、 気温が非常に低い場合などには十分な効果が得られないことがあります。

また実際の道路では、

  • 気温
  • 路面温度
  • 雪や氷の量
  • 薬剤の種類
  • 濃度
  • 交通量

など、多くの条件が関係します。

つまり、 「塩をまけばどんな氷でも必ず全部溶ける」という魔法ではありません。


海水は0℃で凍る?

海水には塩分などが溶けています。

そのため純粋な水とは凍り方が異なり、 凍り始める温度は0℃より低くなります。

道路の氷、海水、アイス作り。

一見まったく違うものでも、 「水に物質が溶けると凍る温度が変わる」 という科学でつながっています。

※海水が凍る仕組みも今年は新記事に増やしませんWWW


そもそも「融雪剤」と「凍結防止剤」は同じ?

似た場面で使われる言葉ですが、目的の表現には違いがあります。

凍結防止は、道路などが凍りにくくなるよう事前に対策する意味で使われます。

一方、融雪・融氷は、すでにある雪や氷を溶かす目的を表すときに使われます。

実際の製品には複数の目的で使われるものもあります。

パッケージを観察するときは、 「何という商品名か」だけでなく「何のために使う製品なのか」 も確認してみましょう。


道路に塩をまくデメリットはないの?

凍結対策に役立つ一方、塩類を大量に使用すると、

  • 自動車など金属の腐食
  • コンクリートなどへの影響
  • 植物への影響
  • 周辺環境への影響

などが問題になる場合があります。

そのため実際の道路管理では、 安全性だけでなく使用量や環境への影響なども考えながら使う必要があります。

ここまで書ければ、高学年では「科学+社会」の研究にもできます。


写真はどこを撮る?

  1. 同じ大きさの氷を並べたところ
  2. 塩をかける前
  3. 塩をかけた直後
  4. 5分後
  5. 10分後
  6. 15分後
  7. 氷の周りに液体ができたところ
  8. 温度計の数字
  9. 塩と砂糖の比較
  10. 観察表やグラフ

温度を測った場合は、 時間を横軸、温度を縦軸にした折れ線グラフ にすると、とても研究らしくなります。


何年生におすすめ?

小学1~2年生

大人と一緒に、 「塩あり・塩なしで氷の溶け方が違う?」 を観察します。

小学3~4年生

時間ごとに氷を観察し、写真と表で比較します。

「塩を入れると水が0℃より低い温度まで凍りにくくなる」まで説明できれば十分です。

小学5~6年生

温度も測り、

  • 凝固点降下
  • 食塩と砂糖の違い
  • 道路の凍結防止
  • 海水

までつなげると、本格的な研究になります。


実験するときの注意

氷と塩を混ぜると、 0℃よりかなり低い温度になることがあります。

長時間素手で触ると低温によるけがにつながるおそれがあるため、直接触り続けないようにしてください。

温度計も測定可能な温度範囲を確認して使用します。

道路用の融雪剤や凍結防止剤は食用ではありません。 自由研究では家庭の食塩を使用しましょう。


自由研究のまとめ方

  1. 疑問:道路の雪や氷にどうして塩をまくの?
  2. 予想:塩をかけた氷がどうなるか予想する
  3. 実験:塩あり・塩なしを比較する
  4. 観察:時間ごとの変化を記録する
  5. 測定:温度を測る
  6. 結果:写真・表・グラフにする
  7. 調査:凝固点降下について調べる
  8. 調査:道路で使われる凍結防止剤について調べる
  9. 考察:なぜ塩で氷が溶けやすくなったのか考える
  10. 結論:道路で塩類が使われる理由をまとめる

写真やグラフを印刷してまとめよう

今回の自由研究は、 氷が変化していく連続写真と温度グラフ を組み合わせると、とてもわかりやすくなります。

写真や比較表を自宅で印刷する場合は、プリンターに対応した互換インクを比較してみるのもひとつの方法です。

▶ 自由研究の写真・グラフの印刷に使える互換インクをチェックする


まとめ|道路の塩とアイス作りは同じ科学でつながっている

道路の雪や氷に塩類をまく理由には、 水に物質が溶けると凝固点が下がる「凝固点降下」 が関係しています。

塩が溶けた水は純粋な水より低い温度まで凍りにくくなるため、条件によって氷を溶かしたり、道路を凍りにくくしたりすることができます。

そしてこの現象は、 氷と塩を使ってアイスを作る実験 にも利用されています。

道路の凍結対策とアイス作り。

まったく関係なさそうな2つが、 「水は何℃で凍るのか?」という同じ科学でつながっている のです。


よくある質問

なぜ氷に塩をかけると溶けるの?

塩が水に溶けると、水が凍る温度が下がるためです。この現象を凝固点降下といいます。

塩をかけると氷が温かくなるの?

塩が熱くなって氷を溶かしているわけではありません。むしろ氷と食塩を使った実験では、混合物の温度が0℃より低くなることがあります。

砂糖でも氷は溶けますか?

砂糖など水に溶ける物質でも凝固点降下は起こります。ただし同じ重さを加えたときの効果は食塩と同じとは限りません。

道路にまいてある白い粒は食塩ですか?

塩化ナトリウムが使われることもありますが、塩化カルシウムなど別の物質も使われます。道路用の製品は食用ではありません。

塩をたくさん入れればどこまでも温度が下がりますか?

いいえ。溶ける量や濃度などに限界があり、塩を増やせば無限に凝固点が下がるわけではありません。


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