いちごジャム。
りんごジャム。
みかんゼリー。
ぶどうゼリー。
どちらも果物を使った、ぷるぷる・とろとろした食べ物です。
でも、
ジャムとフルーツゼリーは同じものではありません。
ジャムはパンに塗れるくらい、とろり。
ゼリーはスプーンですくえるくらい、ぷるん。
では、
どうして同じ果物から、違う固さの食べ物ができるのでしょうか?
今回は、
- ジャム
- フルーツゼリー
を比べながら、
- 何で固まっている?
- 作り方はどう違う?
- 食感はなぜ違う?
- ペクチン・寒天・ゼラチンはどう関係する?
を調べてみましょう。
- この自由研究は何日かかる?
- まず予想してみよう
- 用意するもの
- 実験① 見た目を比べよう
- 実験② スプーンですくって比べよう
- ジャムとゼリーは「固さ」だけが違う?
- フルーツゼリーは何で固まる?
- 実験③ 原材料表示を見てみよう
- 「ゲル化剤(増粘多糖類)」って何?
- ジャムはペクチンで固まる
- でもジャムなら全部同じように固まる?
- ゼラチンゼリーはどうやって固まる?
- 寒天ゼリーはどうやって固まる?
- ペクチンゼリーもある
- ここでちょっと混乱してきた!
- 実験④ お皿を傾けてみよう
- 実験⑤ スプーンで線を引いてみよう
- 「とろとろ」と「ぷるぷる」は何が違う?
- 「ゲル」って何?
- ジャムもゲルなの?
- フルーツゼリーには本物の果物が入っていないこともある?
- 実験⑥ スーパーで「ゼリーの固め方調査」をしてみよう
- もっと面白くするなら食感も記録
- 寒天・ゼラチン・ペクチン軍、ここで集合
- アガーはどこに入る?
- 発展研究|同じジュースを違う材料で固めよう
- 注意|果物によってゼラチンが固まりにくいことがある
- 缶詰のパイナップルなら固まることがあるのはなぜ?
- 写真はどこを撮る?
- 何年生におすすめ?
- 自由研究のまとめ方
- 写真や比較表を印刷してまとめよう
- まとめ|ジャムとゼリーは「何で・どう固めるか」が違う
- よくある質問
この自由研究は何日かかる?
- おすすめ学年:小学2~6年生
- 調査だけなら:30分~1時間程度
- 比較実験もするなら:1日
- 結果が出るまで:当日
- 材料のそろえやすさ:★★★★★
- 食品科学度:★★★★★
市販のジャムとフルーツゼリーがあれば、すぐに始められます。
まず予想してみよう
ジャムとフルーツゼリーには、どんな違いがあると思いますか?
| 質問 | 予想 |
|---|---|
| どちらも同じ材料で固まる? | |
| どちらが水分が多そう? | |
| どちらが硬い? | |
| どちらも冷蔵庫で固める? |
用意するもの
- 市販のジャム
- 市販のフルーツゼリー
- 透明な皿
- スプーン
- 記録用紙
- 定規
- カメラやスマートフォン
できれば、
果物の種類が同じもの
を用意すると比較しやすくなります。
例えば、
- りんごジャムとりんごゼリー
- いちごジャムといちごゼリー
- みかんマーマレードとみかんゼリー
などです。
実験① 見た目を比べよう
ジャムとゼリーを透明な皿へ出してみます。
| 観察項目 | ジャム | フルーツゼリー |
|---|---|---|
| 色 | ||
| 透明感 | ||
| 果肉が見える? | ||
| 形を保てる? | ||
| 表面の様子 |
同じ果物を使っていても、見た目にかなり違いがあるかもしれません。
実験② スプーンですくって比べよう
次はスプーンですくいます。
注目するのは、
- すくいやすさ
- 形が残るか
- ぷるぷるするか
- とろっと流れるか
です。
| 項目 | ジャム | フルーツゼリー |
|---|---|---|
| ぷるぷる度 | ||
| とろとろ度 | ||
| 形の残りやすさ | ||
| スプーンから落ちやすい? |
ジャムとゼリーは「固さ」だけが違う?
実は、それだけではありません。
一般的なジャムは、
- 果実
- 糖類
- 果実に含まれるペクチン
- 酸
などを利用しながら、加熱して水分を飛ばし、とろみやゲル状の状態を作ります。
商品によっては、ペクチンが追加されることもあります。
一方、フルーツゼリーは、
- 果汁
- 水
- 糖類
- 果肉
- ゲル化する材料
などを組み合わせて作られるものがあります。
つまり、
そもそもの配合や作り方が違う
のです。
フルーツゼリーは何で固まる?
ここが今回の重要ポイントです。
フルーツゼリーを固める材料は、ひとつではありません。
例えば、
- ゼラチン
- 寒天
- アガーなどのゲル化素材
- ペクチン
- その他の増粘多糖類
などが使われることがあります。
そのため、
「ゼリーだからゼラチンで固めている」とは限らない
のです。
実験③ 原材料表示を見てみよう
市販のジャムとフルーツゼリーのパッケージを見て、
原材料表示
を比べてみましょう。
| 調べるもの | ジャム | フルーツゼリー |
|---|---|---|
| 果物・果汁 | ||
| 糖類 | ||
| ペクチン | ||
| ゼラチン | ||
| 寒天 | ||
| その他のゲル化剤 | ||
| 酸味料など |
商品によって、かなり違う結果になる可能性があります。
「ゲル化剤(増粘多糖類)」って何?
食品の原材料表示では、
「ゲル化剤(増粘多糖類)」
という表示を見かけることがあります。
これは食品を、
- 固める
- とろみをつける
- 形を保ちやすくする
ために使われる成分です。
原材料表示を調べることで、
普段食べているゼリーが何によって固まっているのか
を知ることができます。
ジャムはペクチンで固まる
果物には、
ペクチン
という多糖類が含まれています。
一般的な高メトキシルペクチンでは、
- ペクチン
- 糖
- 適度な酸性
などの条件がそろうと、ゲルを作りやすくなります。
そのため、
ゼラチンや寒天を加えなくても、とろりとしたジャムを作ることができます。
でもジャムなら全部同じように固まる?
いいえ。
果物によって、
- ペクチンの量
- 酸の量
- 水分量
- 熟し具合
などが違います。
さらに、
- 砂糖の量
- 加熱時間
- 加熱温度
などによっても仕上がりが変わります。
そのため、市販のペクチンを追加して固まり方を調整することもあります。
ゼラチンゼリーはどうやって固まる?
ゼラチンは、
動物のコラーゲンから作られるたんぱく質
です。
温めた液体に溶かし、冷やすとゼラチン分子が網目状の構造を作り、その中に水分を抱え込みます。
そのため、
ぷるんと柔らかく、口の中で溶けやすいゼリー
を作れます。
寒天ゼリーはどうやって固まる?
寒天は、
テングサやオゴノリなどの紅藻類を原料として作られる食品
です。
十分に加熱して溶かしたあと、温度が下がるとゲルを作ります。
一般にゼラチンよりも、
- しっかりした硬さ
- 歯切れのよい食感
になりやすいのが特徴です。
ペクチンゼリーもある
ペクチンはジャムだけに使われるわけではありません。
ペクチンの種類や条件を調整することで、
ゼリー菓子などを固める材料としても利用できます。
つまり、
「ペクチン=ジャム専用」でもない
のです。
ここでちょっと混乱してきた!
整理してみましょう。
| ジャム | フルーツゼリー | |
|---|---|---|
| 主役 | 果実 | 果汁・果肉など |
| 水分 | 煮詰めて減らすことが多い | 水分を多く含むものが多い |
| 代表的なゲル化 | ペクチンを利用 | さまざまなゲル化素材を利用 |
| 食感 | とろり・ねっとり | ぷるぷる・つるんなど |
| 使い方 | 塗る・添える | そのまま食べることが多い |
実験④ お皿を傾けてみよう
同じ量の、
- ジャム
- フルーツゼリー
を別々の皿に置きます。
同じくらいの角度までゆっくり傾け、
- 流れる?
- 形を保つ?
- 崩れる?
を観察します。
ゼリーは種類によって滑ったり崩れたりするため、結果をそのまま記録しましょう。
予想と違った結果も立派な研究結果です。
実験⑤ スプーンで線を引いてみよう
ジャムの表面をスプーンでなぞります。
次にゼリーでも同じことをします。
観察するのは、
- 線が残る?
- すぐ戻る?
- 切れる?
- 崩れる?
です。
「固い・柔らかい」だけでは表現できない食感の違いが見えてきます。
「とろとろ」と「ぷるぷる」は何が違う?
どちらも水分をたくさん含んでいます。
でも、
水分を抱え込んでいる構造や材料、濃度などが違います。
そのため、
- 流れやすい
- 形を保つ
- 弾力がある
- 歯切れがよい
といった違いが生まれます。
「ゲル」って何?
ジャムやゼリーを調べていると、
「ゲル」
という言葉が出てきます。
簡単にいうと、
液体を網目状の構造の中に抱え込み、流れにくくなった状態
です。
見た目は固体のようでも、中にはたくさんの水分があります。
ゼリーがみずみずしいのも、このためです。
ジャムもゲルなの?
ペクチンによって十分な網目構造が作られたジャムは、
ゲル状の食品
と考えることができます。
ただし、ジャムには果肉なども含まれるため、単純なゼリーとは構造や食感が異なります。
フルーツゼリーには本物の果物が入っていないこともある?
商品によって違います。
フルーツゼリーには、
- 果汁を使うもの
- 果肉を入れるもの
- ピューレを使うもの
- 複数の果実原料を使うもの
などがあります。
そのため、
商品名だけで判断せず、原材料表示を調べる
ことが大切です。
実験⑥ スーパーで「ゼリーの固め方調査」をしてみよう
家にある商品や購入した商品の表示を使って、
ゼリー5種類の原材料
を調べてみましょう。
| 商品 | ゼラチン | 寒天 | ペクチン | その他 | |
|---|---|---|---|---|---|
| A | |||||
| B | |||||
| C | |||||
| D | |||||
| E |
※上の表で余分なセルが表示される場合は、WordPress上で削除してください。
結果を、
- ゼラチン系
- 寒天系
- ペクチン系
- その他
に分類すると、立派な調べ学習になります。
もっと面白くするなら食感も記録
原材料表示を調べたあとに、
- ぷるぷる
- やわらかい
- 弾力がある
- 歯切れがよい
- 口どけがよい
などの食感も記録します。
すると、
「固める材料と食感には関係がある?」
という次の研究につながります。
寒天・ゼラチン・ペクチン軍、ここで集合
これまでの研究をつなげると、
| 材料 | 由来 | 主な成分 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 寒天 | 紅藻類 | 多糖類 | しっかり・歯切れがよい |
| ゼラチン | 動物 | たんぱく質 | ぷるぷる・口どけがよい |
| ペクチン | 植物 | 多糖類 | 条件によってゲル化する |
全部「固める材料」なのに、原料も成分も固まり方も違います。
ここが今回の自由研究で一番面白いところです。
アガーはどこに入る?
ゼリー作りでは、
アガー
というゲル化素材も使われます。
市販されているアガー製品には、カラギーナンやローカストビーンガムなどの多糖類を組み合わせたものがあります。
透明感のあるゼリーを作りやすいものもあり、ゼラチンや寒天とは違った食感になります。
つまり、
「ゼリー」という料理名だけでは、何で固まっているかはわからない
のです。
発展研究|同じジュースを違う材料で固めよう
かなり本格的にするなら、
同じジュース
を使って、
- ゼラチン
- 寒天
- アガー
で3種類のゼリーを作ってみましょう。
そして、
- 透明感
- 硬さ
- 弾力
- 口どけ
- 室温での変化
を比べます。
同じ味なのに食感だけが変わる
ので、ゲル化素材の違いがとてもわかりやすい実験になります。
注意|果物によってゼラチンが固まりにくいことがある
生の果物を使ってゼラチンゼリーを作る場合、
果物の種類によっては固まりにくくなることがあります。
例えば、生のパイナップルやキウイなどには、
たんぱく質を分解する酵素
が含まれています。
ゼラチンはたんぱく質なので、こうした酵素によって分解されると、うまくゲルを作れなくなることがあります。
これだけで、
「生のパイナップルを入れるとゼラチンが固まりにくいのはなぜ?」
という別の自由研究になります。
缶詰のパイナップルなら固まることがあるのはなぜ?
缶詰の果物は製造時に加熱されています。
酵素はたんぱく質なので、加熱によって働きを失うことがあります。
そのため、
生のパイナップルでは固まりにくかったゼラチンゼリーが、加熱処理されたパイナップルでは固まる
という違いが現れることがあります。
ここまで調べると、
ゲル化+酵素
というさらに深い食品科学へ進めます。
写真はどこを撮る?
- ジャムとゼリーのパッケージ
- 原材料表示
- 皿へ出した状態
- 横から見た形
- スプーンですくった状態
- 皿を傾けた状態
- ジャムのとろみ
- ゼリーのぷるぷる感
- 比較表
特に、
同じスプーン・同じ皿・同じ角度
で写真を撮ると、違いが伝わりやすくなります。
何年生におすすめ?
小学1~2年生
ジャムとゼリーを、
- 見る
- すくう
- 傾ける
だけでもOKです。
「ジャムはとろとろ、ゼリーはぷるぷるだった」
という発見から始められます。
小学3~4年生
原材料表示を調べて、
何で固めているのか
まで比較しましょう。
小学5~6年生
ペクチン・ゼラチン・寒天・アガーなどの、
- 原料
- 成分
- ゲル化条件
- 食感
まで比較すると本格的です。
自由研究のまとめ方
- 疑問:ジャムとフルーツゼリーは何が違う?
- 予想:同じ材料で固まっているか考える
- 観察:見た目を比較する
- 実験:スプーンですくって食感を比べる
- 実験:皿を傾けて動きを比べる
- 調査:原材料表示を見る
- 調査:ペクチン・ゼラチン・寒天などを調べる
- 比較:固まり方を表にする
- 考察:なぜ食感が違うのか考える
- 結論:同じ果物でも固め方によって別の食品になることをまとめる
写真や比較表を印刷してまとめよう
今回の自由研究では、
- ジャムとゼリーの写真
- 原材料表示
- 食感比較
- 寒天・ゼラチン・ペクチンの比較表
を組み合わせると、研究結果が伝わりやすくなります。
写真や表を自宅で印刷する場合は、プリンターに対応した互換インクを比較してみるのもひとつの方法です。
▶ 自由研究の写真・比較表の印刷に使える互換インクをチェックする
まとめ|ジャムとゼリーは「何で・どう固めるか」が違う
ジャムとフルーツゼリーは、どちらも果物を使った食品です。
しかし、作り方や固まり方には大きな違いがあります。
一般的なジャムでは、
- 果物に含まれるペクチン
- 糖
- 酸
- 加熱による水分の減少
などが関係して、とろりとした状態になります。
一方、フルーツゼリーには、
- ゼラチン
- 寒天
- アガー
- ペクチン
- その他のゲル化素材
など、さまざまな材料が使われます。
つまり、
「ジャムとゼリーの違い=果物の違い」ではありません。
どんな材料を使い、どんな条件で水分を抱え込ませているのか
が、食感の違いにつながっています。
そして面白いのは、
寒天・ゼラチン・ペクチンは、全部固められるのに正体が違う
ということ。
- 寒天 → 海藻由来の多糖類
- ゼラチン → 動物由来のたんぱく質
- ペクチン → 植物由来の多糖類
身近なジャムとゼリーを比べるだけでも、
食品が固まる仕組みにはいろいろな方法がある
ことを発見できます。
よくある質問
フルーツゼリーは全部ゼラチンでできている?
いいえ。ゼラチンだけでなく、寒天、ペクチン、さまざまな増粘多糖類などが使われる商品もあります。原材料表示を確認してみましょう。
ジャムにはゼラチンが入っている?
一般的なジャムは、果物に含まれるペクチンなどを利用してゲル状にします。商品によって原材料は異なるため、実際の商品表示を確認しましょう。
ジャムとゼリーはどちらもゲル?
どちらもゲル状の構造を持つ食品がありますが、材料や水分量、構造、食感などは異なります。
ペクチンでもゼリーを作れる?
はい。ペクチンは種類によってゲル化する条件が異なりますが、ゼリー菓子などにも利用されています。
生のパイナップルをゼラチンゼリーに入れると固まらないのはなぜ?
生のパイナップルにはたんぱく質を分解する酵素が含まれています。ゼラチンはたんぱく質なので、酵素によって分解されるとうまく固まらないことがあります。

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