コーヒーは、豆を焙煎して作ります。
麦茶も、大麦を焙煎して作ります。
どちらも、
- 加熱する
- 茶色~濃い色になる
- 香ばしい香りがする
という共通点があります。
でも、飲んでみると、
コーヒーと麦茶の香りや味はまったく同じではありません。
では、
「焙煎」という作り方は同じなのに、どうしてこんなに違うのでしょうか?
今回は、
- 原料
- 色
- 香り
- 加熱による変化
- 完成した飲み物
を比べながら、
コーヒーと麦茶の焙煎の共通点と違い
を調べてみましょう。
- この自由研究は何日かかる?
- まず予想してみよう
- 用意するもの
- まず原料が違う
- そもそも焙煎って何?
- 実験① コーヒー豆と丸粒麦茶を並べよう
- 実験② 香りを比べよう
- なぜ香りが違う?
- 両方ともメイラード反応が関係する
- でもメイラード反応だけではない
- 焙煎温度や時間も同じではない
- 「同じ焙煎」=同じ温度ではない
- 実験③ 完成した飲み物を比べよう
- 同じ茶色でも色味が違う?
- 麦茶は「麦そのもの」を飲んでいる?
- コーヒーも抽出して飲む
- ここまで見るとかなり似ている!
- なのに味が全然違うのが面白い
- カフェインにも大きな違いがある
- 焙煎するとカフェインはできる?
- コーヒーは深煎りほどカフェインが多い?
- 実験④ 粉の細かさも比べよう
- なぜ細かくすると抽出しやすい?
- 実験⑤ 温度が違うと香りも違う?
- 麦茶は冷たくして飲むことが多い
- コーヒーは「豆」だけど本当の豆?
- 焙煎するとどちらも膨らむ?
- 発展研究|焙煎前後を写真で比べる
- 自分でコーヒー豆を焙煎する必要はない
- 麦茶も家庭で焦がす必要はない
- No.98「麦茶の香ばしい香り」とつなげよう
- No.101「香ばしい香りはなぜ生まれる?」ともセットに
- 結果を「共通点・違い」でまとめよう
- 写真はどこを撮る?
- 何年生におすすめ?
- 自由研究のまとめ方
- 写真や比較表を印刷してまとめよう
- まとめ|「焙煎」は同じでも、原料が違えば完成する香りも違う
- よくある質問
この自由研究は何日かかる?
- おすすめ学年:小学3~6年生
- 実験・調査期間:1日
- 観察時間:30分~1時間程度
- 結果が出るまで:当日
- 材料のそろえやすさ:★★★★★
- 比較のしやすさ:★★★★★
実際に自分で焙煎しなくても、
- 市販のコーヒー豆や粉
- 丸粒麦茶
を並べて観察するだけで十分です。
まず予想してみよう
コーヒーと麦茶の焙煎は、同じだと思いますか?
| 質問 | 予想 |
|---|---|
| 同じ温度で焙煎する? | |
| 同じ香りができる? | |
| 同じ色になる? | |
| 同じ反応が起きる? |
用意するもの
- コーヒー豆またはコーヒー粉
- 丸粒タイプの麦茶
- 完成したコーヒー
- 完成した麦茶
- 白い皿または白い紙
- 透明なコップ
- 記録用紙
- カメラやスマートフォン
丸粒麦茶があると、
焙煎された大麦そのもの
を観察できます。
まず原料が違う
コーヒーと麦茶の一番大きな違いは、
そもそもの原料
です。
| コーヒー | 麦茶 | |
|---|---|---|
| 主な原料 | コーヒーの種子(コーヒー豆) | 大麦 |
| 植物 | コーヒーノキ | イネ科の大麦 |
| 焙煎前 | 生豆 | 大麦 |
| 焙煎後 | 茶~濃褐色 | 茶~濃褐色 |
つまり、
同じ「焙煎」でも、スタート地点から違う
のです。
そもそも焙煎って何?
焙煎とは、食品を加熱して、
- 色
- 香り
- 味
- 風味
などを変化させる加工方法です。
コーヒーや麦茶だけでなく、
- ほうじ茶
- ごま
- ナッツ
などでも使われます。
実験① コーヒー豆と丸粒麦茶を並べよう
白い皿の上へ、
- 焙煎コーヒー豆
- 丸粒麦茶
を並べます。
| 観察項目 | コーヒー | 麦茶 |
|---|---|---|
| 色 | ||
| 形 | ||
| 大きさ | ||
| 表面 | ||
| 香り |
どちらも濃い色をしていますが、形はかなり違うはずです。
実験② 香りを比べよう
次に、それぞれの香りを嗅いでみます。
| 項目 | コーヒー | 麦茶 |
|---|---|---|
| 香ばしさ | ||
| 甘いような香り | ||
| 苦そうな香り | ||
| 穀物っぽい香り | ||
| 自分の言葉で表す |
どちらも「香ばしい」と感じても、
まったく同じ匂いではない
ことがわかるでしょうか。
なぜ香りが違う?
食品の香りは、
原料に含まれている成分
によって変わります。
コーヒー豆と大麦では、
- 糖の種類や量
- アミノ酸やたんぱく質
- 脂質
- その他の成分
が同じではありません。
そのため、同じように加熱しても、
できる香りの成分の組み合わせが違う
のです。
両方ともメイラード反応が関係する
コーヒー豆も大麦も、焙煎するとさまざまな化学反応が起こります。
その代表的なもののひとつが、
メイラード反応
です。
糖とアミノ酸などが反応し、
- 褐色の物質
- さまざまな香りの成分
が生まれます。
つまり、
「メイラード反応が関係する」という点は共通
しています。
でもメイラード反応だけではない
実際の焙煎では、
- メイラード反応
- 糖の熱による変化
- 水分の蒸発
- 成分の分解
- 香気成分の生成
など、たくさんの変化が同時に起こります。
そのため、
「コーヒーも麦茶もメイラード反応だから同じ味になる」
わけではありません。
焙煎温度や時間も同じではない
食品ごとに、
- 適した温度
- 加熱時間
- 焙煎方法
- 目指す風味
が違います。
コーヒーでは、
浅煎り・中煎り・深煎り
など焙煎の程度を変えることで、香りや味の特徴を変えます。
麦茶でも、商品ごとに焙煎方法や焙煎の強さが異なります。
「同じ焙煎」=同じ温度ではない
ここは自由研究で大切なポイントです。
「焙煎」という言葉は、
食品を加熱して風味を作る加工方法の名前
です。
そのため、
焙煎と呼ばれるものが全部同じ温度・同じ時間で行われるわけではありません。
実験③ 完成した飲み物を比べよう
次に、
- コーヒー
- 麦茶
を透明なコップへ入れます。
| 項目 | コーヒー | 麦茶 |
|---|---|---|
| 色 | ||
| 透明感 | ||
| 香り |
白い紙を背景にすると色の違いがわかりやすくなります。
同じ茶色でも色味が違う?
コーヒーと麦茶を並べると、
- 赤っぽい
- 黄色っぽい
- 黒っぽい
- 透明感が違う
など、同じ「茶色」の中にも違いが見つかるかもしれません。
原料や焙煎条件、抽出される成分が違うためです。
麦茶は「麦そのもの」を飲んでいる?
いいえ。
麦茶では焙煎した大麦を水やお湯へ入れ、
色・香り・味の成分の一部を抽出
して飲みます。
大麦そのものを飲んでいるわけではありません。
コーヒーも抽出して飲む
コーヒーも、焙煎した豆を砕いて粉にし、
水やお湯を使って、
- 色
- 香り
- 味
の成分を抽出して飲みます。
つまり、
「焙煎した原料から成分を水へ取り出して飲む」という点まで共通
しています。
ここまで見るとかなり似ている!
| 工程 | コーヒー | 麦茶 |
|---|---|---|
| 原料を用意 | コーヒー豆 | 大麦 |
| 焙煎 | する | する |
| 必要に応じて細かくする | 豆を挽く | 砕いてパックにする商品もある |
| 水やお湯で抽出 | する | する |
| 飲み物になる | コーヒー | 麦茶 |
実は作り方の大きな流れはかなり似ています。
なのに味が全然違うのが面白い
工程は似ているのに、
- コーヒー
- 麦茶
は味も香りも違います。
これは、
原料そのものに含まれる成分が違うことが大きな理由
です。
加工方法だけでなく、
「何を加工したのか」
が完成した食品を決めています。
カフェインにも大きな違いがある
コーヒー豆には、もともとカフェインが含まれています。
一方、大麦にはカフェインが基本的にありません。
そのため、
- 一般的なコーヒー:カフェインあり
- 一般的な麦茶:カフェインなし
という違いがあります。
つまり、
「どちらも焙煎するから成分まで同じ」ではない
のです。
焙煎するとカフェインはできる?
いいえ。
麦茶を焙煎しても、
大麦から新しくカフェインが作られるわけではありません。
カフェインの有無は、まず原料の違いが大きく関係します。
コーヒーは深煎りほどカフェインが多い?
ここは少し複雑です。
焙煎の程度だけを見て、
「深煎りだから必ずカフェインが多い」
と単純に決めることはできません。
実際に一杯へ含まれるカフェイン量には、
- 豆の種類
- 使う豆の量
- 挽き方
- 抽出方法
- 飲む量
なども関係します。
実験④ 粉の細かさも比べよう
麦茶パックの中身とコーヒー粉を白い皿へ出してみましょう。
| 項目 | コーヒー粉 | 麦茶パック |
|---|---|---|
| 粒の大きさ | ||
| 色 | ||
| 香り |
どちらも抽出しやすいよう、原料を細かく加工して使うことがあります。
なぜ細かくすると抽出しやすい?
細かくすると、
水と触れる表面積が増える
からです。
すると、
- 色
- 香り
- 味
の成分が水へ移りやすくなります。
これは麦茶パックでも調べたポイントです。
実験⑤ 温度が違うと香りも違う?
同じ飲み物でも、
- 温かい状態
- 冷たい状態
では香りの感じ方が変わります。
コーヒーと麦茶で、
温度による香りの違い
も比較できます。
ただし、条件を比べる場合はできるだけ同じ温度帯で観察しましょう。
麦茶は冷たくして飲むことが多い
日本では麦茶を冷やして飲むことが多いため、
「麦茶=冷たい飲み物」
というイメージがあります。
でも温かい麦茶を飲むと、冷たいときより香ばしい香りを強く感じることがあります。
これは香りの成分が空気中へ出る量などが温度によって変わるためです。
コーヒーは「豆」だけど本当の豆?
ここも面白いポイントです。
「コーヒー豆」と呼びますが、
大豆や小豆のようなマメ科の豆ではありません。
コーヒーノキの果実の中にある種子を、一般にコーヒー豆と呼んでいます。
一方、大麦はイネ科の穀物です。
つまり、
「豆 VS 麦」という名前以上に、植物としてもかなり違う
のです。
焙煎するとどちらも膨らむ?
焙煎すると食品内部の水分が失われたり、内部構造が変化したりします。
コーヒー豆では焙煎中に膨らみ、体積が変化します。
麦茶用の大麦でも加熱によって見た目や内部構造が変化します。
ただし変化の程度や仕組みは同じではありません。
発展研究|焙煎前後を写真で比べる
もし焙煎前のコーヒー生豆や大麦が手に入れば、
- 焙煎前
- 焙煎後
を比較するとさらに本格的です。
| 焙煎前 | 焙煎後 | |
|---|---|---|
| コーヒー | ||
| 大麦 |
ただし、このためだけに材料を買わなくても、資料写真を調べてまとめる方法でも十分です。
自分でコーヒー豆を焙煎する必要はない
コーヒー豆の焙煎は高温で行われ、煙やチャフと呼ばれる薄皮なども出ます。
自由研究のために子どもが自分で焙煎する必要はありません。
市販の焙煎済みコーヒーを観察し、製造工程を調べる方法
の方が安全で取り組みやすいでしょう。
麦茶も家庭で焦がす必要はない
麦茶も同様です。
焙煎と焦げの違いを観察したいからといって、
家庭で大麦を真っ黒になるまで加熱する必要はありません。
市販の丸粒麦茶を使えば、安全に焙煎後の状態を観察できます。
No.98「麦茶の香ばしい香り」とつなげよう
麦茶の香りが焙煎で生まれる理由については、
「麦茶の香ばしい香りはどこから来る?」
で詳しく調べられます。
No.101「香ばしい香りはなぜ生まれる?」ともセットに
コーヒーと麦茶だけでなく、
- トースト
- ごま
- 肉
などの「香ばしい」を比べたい場合は、
「香ばしい香りはなぜ生まれる?」
も合わせて調べてみましょう。
結果を「共通点・違い」でまとめよう
共通点
- 焙煎する
- 加熱による褐変が起こる
- 香ばしい香りが生まれる
- 水やお湯で成分を抽出して飲む
違い
- 原料となる植物
- 含まれている成分
- 焙煎条件
- 香り
- 味
- カフェインの有無
この形にすると考察がとても書きやすくなります。
写真はどこを撮る?
- コーヒー豆
- 丸粒麦茶
- 2種類を並べた写真
- コーヒー粉
- 麦茶パックの中身
- 完成したコーヒー
- 完成した麦茶
- 2つの飲み物を並べた写真
- 共通点・違いの比較表
特に、
「コーヒー豆 VS 丸粒麦茶」
と、
「完成したコーヒー VS 完成した麦茶」
の2枚があると、研究内容が伝わりやすくなります。
何年生におすすめ?
小学1~2年生
コーヒー豆と丸粒麦茶を並べて、
- 色
- 形
- 香り
を比べるだけでもOKです。
「どちらも焼いて香ばしくしているけれど、違う植物からできていた」
とまとめられます。
小学3~4年生
原料・焙煎・抽出・完成した飲み物まで、作り方を比較表にしましょう。
小学5~6年生
メイラード反応、香気成分、カフェイン、焙煎条件まで調べ、
なぜ同じ加工方法でも違う味や香りになるのか
を考察すると本格的です。
自由研究のまとめ方
- 疑問:コーヒーと麦茶の焙煎は同じ?
- 予想:どこまで同じか考える
- 観察:コーヒー豆と丸粒麦茶を比べる
- 比較:色・形・香りを記録する
- 観察:完成した飲み物を比べる
- 調査:それぞれの原料を調べる
- 調査:焙煎とは何か調べる
- 調査:メイラード反応について調べる
- 比較:共通点と違いを表にする
- 考察:なぜ同じ焙煎でも違う香りになるのかまとめる
写真や比較表を印刷してまとめよう
今回の自由研究では、
- 原料の写真
- 粉の比較
- 完成した飲み物
- 工程比較
- 共通点・違いの表
を組み合わせると、とても見やすくなります。
写真や比較表を自宅で印刷する場合は、プリンターに対応した互換インクを比較してみるのもひとつの方法です。
▶ 自由研究の写真・比較表の印刷に使える互換インクをチェックする
まとめ|「焙煎」は同じでも、原料が違えば完成する香りも違う
コーヒーと麦茶には、
- 原料を焙煎する
- 加熱で色や香りが変わる
- メイラード反応などが関係する
- 水やお湯で成分を抽出する
という共通点があります。
つまり、
大きな製造の流れはかなり似ています。
しかし、
- コーヒーはコーヒーノキの種子
- 麦茶は大麦
という、まったく違う植物が原料です。
原料に含まれる、
- 糖
- アミノ酸
- たんぱく質
- 脂質
- そのほかの成分
が違うため、焙煎によって作られる香りや味も違います。
さらに焙煎温度や時間、抽出方法なども同じではありません。
そのため、
「同じ焙煎という加工方法を使っているから、同じ飲み物になる」わけではない
のです。
食品は、
「原料 × 加工方法」
の組み合わせによって、まったく違う味や香りになります。
コーヒーと麦茶を比べると、そのことがとてもよくわかります。
よくある質問
コーヒーと麦茶はどちらも焙煎するの?
はい。コーヒーではコーヒー豆を、麦茶では大麦を焙煎して、色や香り、風味を作ります。
同じ焙煎なら、なぜ同じ味にならないの?
原料に含まれている成分が違い、焙煎温度や時間などの条件も違うためです。作られる香りや味の成分の組み合わせも異なります。
コーヒーと麦茶にはどちらもメイラード反応が起きる?
どちらの焙煎にもメイラード反応が関係します。ただし、焙煎中にはほかの多くの化学変化も同時に起こります。
麦茶にもカフェインがありますか?
一般的な大麦だけから作られる麦茶には、カフェインは基本的に含まれません。一方、普通のコーヒーにはコーヒー豆由来のカフェインが含まれます。
自分で焙煎しないと自由研究にならない?
いいえ。市販の焙煎済みコーヒー豆と丸粒麦茶を比較し、製造工程を調べるだけでも十分に自由研究になります。


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