こんにちは、tekowaです。
本日はツイッターで話題になっていたこの記事について、気になったので書いてみました。
1型糖尿病の息子さんを持つnaoruさん。今年度ももう終わる頃に担任の先生から、「昼休みに低血糖になったようで勝手にブドウ糖を食べた。他の学年の子が(naoruさんの息子さんが)飴を食べた、スマホを持っていると大騒ぎになった。その為人前で食べないでと注意した。」そう言われたそうです。
※1型糖尿病は対応を間違うと生死に関わります。少しでも私の書いたブログで皆さんの理解が広まりますように!
1型糖尿病の特徴と症状
まず、糖尿病にはいくつか種類があります。1型糖尿病の他には2型糖尿病、その他の病気からくる糖尿病、妊娠糖尿病です。一般的に知られているのは1型と2型だと思います。
特徴
1型糖尿病とは、インスリンを分泌する膵臓のβ(ベータ)細胞が壊れ、高血糖状態になる病気です。糖尿病には大きく分けると1型と2型がありますが、1型はβ細胞の破壊によって生じるもので、運動不足や過食などの生活習慣によって起こる2型とは性質が異なります。
インスリンは血糖値(血液中を流れるブドウ糖の濃度)を一定に保つはたらきを持ち、食後に血糖値が上昇すると膵臓から分泌されます。そして、インスリンのはたらきによってブドウ糖が細胞に取り込まれ、エネルギー源として利用されます。
そのため、インスリンが分泌されなくなるとブドウ糖が使われなくなり、その結果として常に血糖値が高い状態になってしまうのです。インスリンが不足することから、継続的にインスリンを補充する治療が必要となります。
日本では毎年約14,000人が1型糖尿病と診断され、発症者は子どもに多く、思春期にピークを迎えます。大人に発症することもあります。
簡単にまとめると、1型糖尿病は、膵臓の細胞が何らかの原因により破壊され、血糖値を下げる役割のインスリンが分泌されなくなり、高血糖になる状態です。
では、症状はどんなものがあるのでしょうか?
症状
1型糖尿病の典型的な症状は、口渇、多飲、多尿、体重減少です。
なぜ、このような症状になるのか、補足しておきます。
- インスリンの分泌が低下し血糖値が上昇すると、尿糖が排出され尿細管内の浸透圧が上昇し、利尿作用が高くなって脱水になります。その結果、口渇、多飲、多尿の症状が現れます。
- インスリンはブドウ糖を取り込んでエネルギー源として利用するはたらきもあるため、インスリンが不足するとエネルギーを蓄積できなくなり、体重が減少します。
他にも症状が進行するとこのようなことも起こります。
- インスリンがまったく分泌されなくなるとケトン体が作られ、これによってケトーシスやケトアシドーシスに陥り、命に関わるケースもあります。
1型糖尿病の原因と治療方法
原因
1型糖尿病は遺伝や原因不明の糖尿病です。そのため、予防が難しいといわれています。また、かかる確率は人種的な差が大きく、日本人よりも北米・北欧の方に多いといわれています。
日本における1型糖尿病患者さんの割合は、糖尿病患者さん全体の5%以下といわれています。
治療
1型糖尿病の治療原則は強化インスリン療法です。患者さんの生活に合わせていくつかのインスリン製剤を組み合わせて使います。
インスリン療法で気をつけたいのは低血糖です。食事ができないときや運動、病気のときなどの対応についてあらかじめ主治医と打ち合わせておくことが大事です。
どんな配慮が必要なの?
治療法のインスリン療法の副作用として、低血糖が上げられると先ほど書きました。これを踏まえ、どのような配慮が必要なのか見ていきましょう。
国立国際医療研究センター糖尿病情報センターの情報を掲載させていただきます。詳しくはこちら
「ぼく」「わたし」のサポートチームを作る
担当の先生、医療スタッフはもちろん、ご家族やお友達、学校の先生も協力してもらいサポートチームをつくることが大切です。
大きくなるにつれて自分のことは自分でできるようになることは、成長のために大事なことです。一方で、糖尿病のあるなしにかかわらず、人はみんな、ひとりで抱え込むより、周りの方の協力があった方が良い場合もあります。からだやこころの成長に従って、1型糖尿病との付き合い方は変化します。長い人生のあいだで時や場所が変わっても、「ぼく」や「わたし」を応援してくれるサポートチームを作っていきましょう。
学校や地域を超えて、同じ病気を持った仲間と交流をもつことができる、小児糖尿病サマーキャンプなどもあります。
保育園や学校では
担当医や医療スタッフと相談しながら、担任の先生・保健の先生などと連携をとりましょう。
- インスリンをいつ、どのように注射するか相談しておきましょう(教室、保健室など)。
- 低血糖の対応方法について話し合っておきましょう。
- 保健室にブドウ糖やグルカゴン注射を置かせてもらう、使用法を確認しておくなど、予め準備をしておきましょう。
- 体育や部活動、課外活動など、からだを動かす場合の対応を相談しておきましょう。低血糖を予防するために、事前にインスリンの単位を減量したり、補食(おやつ)を食べたりします。
- 補食(おやつ)に何を食べるか、どこへ置いておくか、決めておきましょう。
- 1型糖尿病について、お友達に何をどこまで話すか、決めておきましょう
まとめ
1型糖尿病について、駆け足ですがまとめてみました。
- 1型糖尿病とは、インスリンを分泌する膵臓のβ(ベータ)細胞が壊れ、高血糖状態になる病気
- 1型はβ細胞の破壊によって生じるもので、運動不足や過食などの生活習慣によって起こる2型とは性質が異なる。
- 1型糖尿病は発症する原因不明なことが多く、また遺伝によるものもあるため、予防が難しい。
- 1型糖尿病はβ細胞が破壊されたことにより、インスリンが不足することから、継続的にインスリンを補充する治療が必要となる。
- インスリン療法で気をつけたいのは低血糖で、これが特別な配慮が必要。
こんな感じです。
naoruさんは、息子さんのために担任の先生や同じクラスの保護者にも文面を出して理解を求めていたようです。低血糖は命にも関わるので、1型糖尿病を抱える方やそのご家族が嫌な思いをせず補食ができるようになりますように。
補足:低血糖の症状のあらわれ方には個人差がありますが、一般的には次のような症状がみられます。
- 自律神経症状:冷や汗、動悸、手や指のふるえ、強い空腹感、脈が速くなる
- 中枢神経症状:強い脱力感や疲労感、眠気(生あくび)、めまい、集中力の低下、頭痛
- 大脳機能低下:意識がもうろうとする、異常行動、意識がなくなる、深い昏睡
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