
tekowaです。
「ドーン!」「ズシン!」と響き渡る夏の夜空――打ち上げ花火の音って、とても印象的ですよね。でもこの“音”、実際にはどれくらい大きくて、どんな風に聞こえているのでしょうか?
この記事では、「花火の音の大きさ」について、物理や音響の観点からやさしく解説します。さらに、身近な道具で音の大きさを測定したり、距離による違いを比較する自由研究方法も紹介します。
花火の「音」って、なにでできてるの?
打ち上げ花火の音には、大きくわけて2つの種類があります:
- 1. 打ち上げ時の発射音(ポンッ・ズドン)
- 2. 空中での爆発音(ドーン!)
この音はすべて「空気の振動」が耳に届いて生じるものです。爆発の衝撃で空気が振動し、その波が私たちの耳に伝わって“音”として感じるのです。これが「音波」です。
空気の密度が高いところでは音がよく響き、逆に空気が薄かったり、風向きによっては音が弱く聞こえることもあります。
音の大きさ=デシベル(dB)で測れる!
音の大きさは「デシベル(dB)」という単位で表されます。これは、どれくらい強い音の波が耳に届いているかを数値で表すものです。
音の例 | おおよそのデシベル(dB) |
---|---|
ささやき声 | 30dB |
日常会話 | 60dB |
掃除機の音 | 70dB |
車のクラクション(近距離) | 100dB |
打ち上げ花火(近距離) | 110〜120dB |
つまり花火は、身近な音の中でもかなり強い音だということがわかります。
自由研究のやり方|スマホで音を測ろう!
花火の音を「科学的に」調べてみたい方には、スマホの無料アプリ「騒音計(デシベルメーター)」がおすすめです。
▼ 用意するもの
- スマートフォン(アプリ:Sound Meter・Decibel X など)
- 花火大会のスケジュール
- 観測ノート
- メジャー(距離を測る場合)
アプリを使って、以下のように測定してみましょう。
▼ 観察ポイント
- 花火大会の打ち上げ音を測る(近く・遠くなど距離を変えて)
- 地形や建物によって音の響き方が変わるか観察する
- 風がある日とない日で音の伝わり方を比べる
可能であれば、「打ち上げ場所から〇メートル」の地点ごとに測定して、音の大きさがどのように変わるかを記録してみましょう。
距離が変わるとどう聞こえる?
音は、距離が2倍になると「おおよそ6dB」下がると言われています(理論値)。
例えば、100メートルの距離で110dBだった音は、200メートルでは約104dBになる、という計算になります(※実際には反射音や地形の影響も加味されます)。
この性質を使えば、花火の打ち上げ場所から自分がどれくらい離れているのかを逆に予測することもできるかもしれません。
音の波形を“見える化”してみよう!
スマホアプリには、音の波形を表示してくれるものもあります。打ち上げの「ドン!」という音が、一瞬で大きな波になっている様子を見るのはとても面白く、「音は空気のふるえ」であることを実感できます。
また、打ち上げ→爆発までの「音のタイムラグ」にも注目してみてください。空中で光る花火と“ドーン”という音が、少しずれて聞こえたことはありませんか? これは「光は音より速く届く」からです。
光の速さ:約30万km/秒 音の速さ:約340m/秒(気温20℃時)
花火が打ち上がった直後に「光る」のはすぐ見えるけど、音が届くのには少し時間がかかるんです。
まとめ|音は見えないけど“測れる科学”!
花火の「音」は、単なる演出ではなく、物理的な現象としてきちんと測定・観察することができます。スマホアプリなどを活用すれば、誰でも簡単に自由研究ができて、数字や波形で“音の正体”を知ることができます。
距離や風、地形などによって音がどう変わるかを比較することで、「環境音の観察」や「音響工学の入門」にもつながります。
この夏は、ぜひ花火大会での音の観察を通して、「音ってなんだろう?」という問いに挑戦してみてくださいね。
次回は、江戸時代から現代まで続く「花火大会の歴史」を掘り下げてご紹介します!
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