速読 vs 熟読｜情報過多時代の“読み方整活”

こんにちは、tekowaです。

10月27日は「文字・活字文化の日」。これまで「音読」「黙読」「書く読書」と、 “読む”の多様な形を整活の視点で見てきました。今回はその最終章―― 「速読」と「熟読」、どちらが心と脳を整えるのか？を考えていきましょう。

スマホニュース、SNS、電子書籍、AI記事…。今、私たちは“読む情報”に溺れるほど囲まれています。だからこそ、「どう読むか」を整えることが、現代の整活に欠かせないテーマです。

1. “読むスピード”が変える整活リズム

読む速さには性格や目的が反映されます。速読は「処理力」を高め、熟読は「理解力」を深める。どちらが優れているというより、 “今の自分に必要なリズム”を選ぶことが大切です。

テンポ良く読むことで、脳のワーキングメモリが活発に働き、集中モードに入ります。短時間で多くの情報を得たい時に最適。脳の血流も上がり、スイッチを入れる整活に向いています。

一方、熟読は“味わう読書”。一文一文を丁寧に読むことで、心拍が落ち着き、副交感神経が優位になります。これはまさに、瞑想のような整活です。

どちらも脳を整える効果がありますが、「いつ」「どんな目的で読むか」で最適解は変わります。

速読の目的は“全体を把握すること”。本を一字一句追わず、内容の構造を俯瞰します。これは情報過多の現代において、「取捨選択力」を育てるトレーニングになります。

速読時、目の動き（サッカード）が速くなり、脳の前頭葉・視覚野・側頭葉が一斉に活性化。これは脳トレにも近く、情報処理の瞬発力を養う整活です。

情報をすべて噛みしめようとすると、脳はすぐに疲弊します。速読でざっと全体像をつかむことで、不要な情報を早期に手放せる＝脳のデトックスになります。

「完璧に理解しなければ」と思うと緊張が走ります。速読は「わからなくても進む」スタイルなので、思考の柔軟性を育て、完璧主義を手放す整活にもなります。

熟読は、言葉の一つひとつを味わいながら読むスタイル。速読が“風”なら、熟読は“土”。どっしりと落ち着き、内側から心を支えてくれます。

文字を追いながら、登場人物や筆者の感情を追体験する。そのプロセスが共感力を高め、心のバランスを取る整活になります。心理療法でも“読書療法（ビブリオセラピー）”が用いられるほどです。

熟読は“時間を味方につける読書”。ゆっくり読むことで、脳の海馬に情報が長期保存されやすくなります。これは勉強や資格学習にも効果的。読むことが「自分の言葉」になる整活です。

紙の感触、文字の並び、ページをめくる音――。それらが視覚・触覚・聴覚を穏やかに刺激し、心が静まる効果があります。熟読は、感覚を研ぎ澄ませる整活でもあるのです。