
tekowaです。
ハロウィンといえば、やっぱり「かぼちゃ」。鮮やかなオレンジ色の果肉とほっくりした甘みは、見た目にも季節を感じさせてくれます。ですが、かぼちゃの魅力は見た目だけではありません。栄養士の視点から見ると、かぼちゃは“健康を支える栄養宝庫”でもあります。今回は、かぼちゃの栄養効果、選び方、保存法をわかりやすくまとめます。
1. かぼちゃの栄養成分
かぼちゃは「緑黄色野菜」の代表格。特にβカロテン(ビタミンAの前駆体)が豊富で、皮の近くに多く含まれています。このβカロテンは体内で必要量だけビタミンAに変わり、粘膜や皮膚の健康維持、免疫力のサポートに役立ちます。
さらに、かぼちゃには次のような栄養成分が含まれています。
- ビタミンE:抗酸化作用があり、血行促進や冷え性改善に効果的
- ビタミンC:免疫を高め、風邪予防に役立つ
- 食物繊維:腸内環境を整え、便秘解消をサポート
- カリウム:体内の余分な塩分を排出し、むくみを防ぐ
- 糖質:エネルギー源になり、疲労回復に効果
このように、かぼちゃは「美容・健康・整腸・疲労回復」に万能な食材。秋の疲れや季節の変わり目に起きやすい体調不良を整える働きもあります。
2. 栄養を逃さない調理のコツ
かぼちゃの栄養をしっかり摂るためには、皮ごと調理するのが基本です。皮にはβカロテンが多く含まれており、加熱しても壊れにくい特徴があります。電子レンジで軽く加熱してから切ると扱いやすくなります。
ビタミンCは熱に弱いとされていますが、かぼちゃの場合はデンプンに守られて比較的失われにくい点も特徴。蒸す・煮る・焼くなど、どんな調理法でも栄養価を保ちやすい野菜です。
油と一緒に摂ると、脂溶性ビタミンであるβカロテンやビタミンEの吸収率が上がります。オリーブオイルやごま油と組み合わせた炒め物、または揚げ焼きにするのもおすすめです。
3. 栄養士おすすめの食べ方
保育園や介護施設など、年齢層に合わせて食べやすい形に調整することがポイントです。
・保育園の場合
小さくカットして柔らかく煮ることで、噛む練習にもなります。甘味が強いので、砂糖を加えなくても子どもに好まれます。つぶしてスープやグラタンにすると、離乳後期〜幼児食期にも最適。
・介護施設の場合
ペースト状やムース状にしても美味しさが損なわれないのがかぼちゃの良いところ。嚥下障害のある方には、豆乳や牛乳でのばしてポタージュにするのがおすすめ。色も香りもよく、食欲を刺激します。
・家庭での活用
冷凍保存したかぼちゃを味噌汁やシチューに加えるだけで、時短で栄養満点のメニューが完成します。お弁当の彩りにもぴったりです。
4. かぼちゃの選び方
良いかぼちゃを選ぶコツは、以下の3点をチェックすることです。
- 皮が硬く、表面にツヤとハリがある
- ヘタがしっかり乾いていて、周囲が少しくぼんでいる
- ずっしりと重みを感じるもの
カットかぼちゃの場合は、果肉が濃いオレンジ色で種がふっくらしているものを選びましょう。水っぽいものは甘味が少ない傾向があります。
5. 保存方法と日持ち
丸ごとのかぼちゃは、風通しのよい涼しい場所で1〜2か月ほど保存可能です。カットしたものは、ラップで密閉して冷蔵庫で4〜5日を目安に使い切りましょう。
長期保存したい場合は冷凍が便利。皮付きのまま一口大に切り、軽く下茹でしてから冷凍します。調理時は凍ったまま煮物やスープに入れてOK。ペースト状にして冷凍するのもおすすめで、ポタージュやお菓子づくりに使えます。
6. 栄養を活かすおすすめレシピ
- かぼちゃとツナの白だし煮(食べやすくてタンパク質も補える)
- かぼちゃと豆乳のスープ(βカロテン+たんぱく質+カルシウム)
- かぼちゃのヨーグルトサラダ(整腸+美肌効果)
- かぼちゃの塩バター焼き(香ばしく血行促進効果も)
どれも簡単で、保育・介護の現場でも応用しやすいメニューです。行事の多い秋は忙しくなりがちですが、手軽に整える食材としてかぼちゃはとても頼りになります。
7. 日本かぼちゃと西洋かぼちゃの違い
私たちが普段よく食べているのは「西洋かぼちゃ(えびすかぼちゃ)」で、甘味が強くほくほくした食感が特徴。一方、「日本かぼちゃ」はねっとりとした口当たりで、煮物にすると上品な味わいになります。
どちらにも栄養価の差はほとんどありませんが、調理法によって向き・不向きがあります。煮物なら日本かぼちゃ、スープやスイーツなら西洋かぼちゃが向いています。
8. かぼちゃの種とワタも捨てない
種とワタにも栄養がたっぷり。特に種はビタミンE・亜鉛・鉄を含み、抗酸化力やホルモンバランスのサポートに効果があります。種を洗って乾燥させ、フライパンで軽く炒ると香ばしいおやつに。ワタはかき揚げにすると旨味が出て美味です。
9. 季節ごとの取り入れ方
秋の新物は甘味が強く、冬場はほくほく感が増します。季節によって食感が変わるため、煮る・焼く・蒸すなど調理法を使い分けましょう。冬至に食べる「冬至かぼちゃ」は、寒い季節を乗り越えるための知恵としても知られています。
10. おわりに ― ハロウィンから始める「かぼちゃ整活」
かぼちゃは、ハロウィンの飾りとしてだけでなく、日々の健康を支える食材。色鮮やかなオレンジには、体を守る力がぎゅっと詰まっています。栄養士としては、季節の行事をきっかけに“旬の食材で整える”意識を持つことをおすすめします。
保育・介護・家庭、それぞれの現場で無理なく取り入れられるかぼちゃ。ハロウィンが終わっても、その力を暮らしに活かしていきましょう。
次回は「行事食に使える秋の根菜アレンジ」を紹介します。

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