
tekowaです。
ハロウィンというと、お菓子やスイーツのイメージが強いですが、「ごはん」で楽しむハロウィンも人気が高まっています。とはいえ、カロリーや糖質が気になる方、子どもや高齢者に合わせてバランスを考えたい方も多いはず。今回は、栄養士の立場から“映えるのにヘルシー”をテーマにしたハロウィン献立を紹介します。見た目の華やかさだけでなく、体に優しく満足感のある秋の行事食を一緒に整えていきましょう。
1. メイン料理:かぼちゃと鶏ひき肉のグラタン
ハロウィンカラーを意識した王道メニュー。ホワイトソースの代わりに豆乳を使うことで、脂質を抑えつつコクを出します。バターの代わりにオリーブオイルを使用すれば、飽和脂肪酸の摂りすぎも防げます。
ポイントは、かぼちゃの自然な甘みを生かすこと。レンジで加熱してつぶしたかぼちゃをベースに、鶏ひき肉と玉ねぎを炒めた具を重ね、豆乳ソースをかけてオーブンで焼きます。見た目もオレンジが映え、子どもたちにも人気。高齢者向けには、グラタン皿ではなくココットで小分けにすれば食べやすくなります。
2. 副菜①:紫キャベツとりんごのマリネ
紫と赤のコントラストが美しいマリネ。見た目がハロウィンカラーの紫×オレンジに近く、テーブルが一気に華やかになります。紫キャベツにはアントシアニンが豊富で、抗酸化作用・血流改善効果も期待できます。
りんごの酸味と甘みを加えることで、子どもでも食べやすい味に。オリーブオイルとレモン汁でシンプルに仕上げ、冷蔵庫で10分置くだけで完成。冷たい副菜を添えることで、全体の味のバランスが整います。
3. 副菜②:おばけポテトサラダ
保育園でも人気の“顔つきメニュー”。マッシュポテトをおばけ型に盛りつけ、海苔や黒ごまで目や口を飾ります。マヨネーズを減らしてヨーグルトを混ぜることで、脂質を抑えつつ爽やかな味わいに。ジャガイモはビタミンCが豊富で、風邪予防にもぴったり。
小さな子どもにはスプーンで崩しやすい形にし、高齢者向けにはペースト状にしてもかわいらしく仕上がります。行事を「食べやすく」「楽しく」することこそ、食育や介護食の本質です。
4. 汁物:人参ポタージュのブラックゴマ仕立て
オレンジ×黒の色合いを楽しめる温かいスープ。人参と玉ねぎをじっくり煮込み、豆乳で伸ばしてポタージュに。最後に黒ごまペーストをひと筋垂らすと、ハロウィンらしいアクセントになります。
人参はβカロテンが豊富で、体内でビタミンAに変わり免疫を高めます。豆乳と組み合わせることで、良質なたんぱく質とカルシウムも補給できる一品です。冷めてもおいしく、朝食にも向いています。
5. 主食:黒米入りかぼちゃピラフ
白米に黒米を混ぜて炊くだけで、自然に紫がかったごはんになります。角切りかぼちゃとコーンを入れれば、オレンジと紫のハロウィンカラーが完成。黒米はポリフェノールの一種・アントシアニンを含み、抗酸化作用が期待できます。
バターを使わずオリーブオイルで炒めることで軽やかに仕上がり、胃もたれしにくいのもポイント。冷凍保存も可能なので、前日に仕込めば行事当日も安心です。
6. デザート:豆乳プリンとかぼちゃのジャック・オー・ランタン風
豆乳プリンにかぼちゃピューレを重ね、上にチョコペンで顔を描くだけ。かわいらしくてヘルシーなハロウィンデザートになります。ゼラチンを使えばやわらかく、高齢者や幼児にも食べやすい食感に。
砂糖の代わりにハチミツやきび糖を使うと、血糖値の急上昇を抑えられます。見た目だけでなく、体にやさしい甘みを意識することが「映えるけどヘルシー」な行事食のポイントです。
7. 栄養バランスの考え方
この献立のPFCバランス(たんぱく質・脂質・炭水化物)は、1食あたりおよそ以下のとおりです。
- エネルギー:約550〜600kcal
- たんぱく質:25g前後
- 脂質:20g以下
- 炭水化物:70〜80g
行事食でありながら栄養の偏りが少なく、子どもから高齢者まで安心して食べられる構成です。豆乳やオリーブオイルを活用することで、悪玉コレステロールの上昇を防ぎ、整った脂質バランスを保てます。
8. 保育園・介護施設での展開例
保育園では、おばけポテトサラダやジャック・オー・ランタンデザートが人気。子どもたちが自分で飾り付けることで、「食べる意欲」や「手を動かす力」が育ちます。
介護施設では、グラタンやポタージュをペースト状にし、同じ色味で提供する工夫が求められます。季節を感じられる彩りを維持しながら、食べやすさを確保することがポイント。見た目と味覚の両面から“行事を楽しむ”ことが、QOL(生活の質)を高めます。
9. 盛り付けで「映え」を演出するコツ
- 黒・オレンジ・紫の3色を意識して配置する
- 皿の余白を残してメリハリを出す
- 小物は紙ナプキンやピックで十分、過剰装飾は不要
- 照明を暖色にして温かみを演出
“映える”というのは派手にすることではなく、丁寧さを見せること。家庭でも、手軽な工夫で食卓が劇的に変わります。
10. おわりに ― 食で季節を感じ、体を整える
ハロウィン献立は、行事のためだけでなく、日々の食生活を見直す良いきっかけにもなります。旬の食材を取り入れ、見た目を楽しみながら体を整えること。それが「映えるけどヘルシー」な整活ごはんの本質です。
次回は、保育園給食のハロウィンメニュー実例とその工夫について紹介します。

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