
tekowaです。
10月27日の「文字・活字文化の日」は、読書や言葉の大切さを改めて見つめ直す日。 特に、子どもにとって“言葉を育てる時間”としておすすめしたいのが「読み聞かせ」です。 家庭での読み聞かせは、心を育て、言葉を整え、親子の関係を深める“整活”でもあります。 今回は、保育補助・幼児食マイスターとしての経験を交えながら、 家庭でできる「読み聞かせ整活」の効果と工夫を紹介します。
1. 読み聞かせは“心をつなぐ整活”
子どもに絵本を読んであげる時間。 それは単なる教育や知育ではなく、“心を通わせる瞬間”です。 絵本の世界に一緒に入り込むことで、親と子の呼吸が自然に整い、安心感が生まれます。
言葉を聞きながら、子どもの脳では「感情と言語のリンク」が形成されます。 この体験が「言葉の意味を理解する力」や「共感力」を育てるのです。 まさに、読み聞かせは“心の栄養補給”であり、親子の整活時間です。
2. 読み聞かせで育つ“語彙力”と“表現力”
日常生活の会話では、どうしても使う言葉が限られがち。 でも絵本の中には、「ふんわり」「ぽとぽと」「ぴかぴか」など、 普段の生活には出てこない豊かな言葉がたくさんあります。
それを耳で聴くことで、子どもの脳に“言葉の貯金”が増えていきます。 語彙が増えると、自分の気持ちを正確に伝えられるようになり、 結果的に感情の安定や自己肯定感の向上にもつながります。 これが読み聞かせ整活の大きな魅力です。
3. “読む”より“感じる”読み聞かせを
読み聞かせというと、上手に読むことを意識しがちですが、 実は大切なのは“声のトーン”や“間(ま)”です。 感情をこめて読むというよりも、 子どもの反応に合わせて“テンポを整える”ことがポイント。
- ページをめくる前に、1〜2秒間の「余韻タイム」をとる
- 登場人物の声を少し変えてみる
- 子どもが絵を指さしたら、すぐに話を止めて一緒に考える
これらはどれも、子どもが「感じる力」を伸ばすための工夫です。 読む速さよりも、子どもの呼吸や視線に寄り添うこと。 それが“整う読み聞かせ”の基本です。
4. 食育にもつながる読み聞かせ
幼児食マイスターとして注目しているのが、「食と本の連動」です。 たとえば『おにぎりにぎにぎ』『スープになりました』など、 食べ物がテーマの絵本を読んだあとは、実際に調理や味見を一緒に行うのもおすすめ。
“読む→見る→食べる”の流れは、子どもの五感を刺激し、 「食べること=楽しいこと」という印象を強めてくれます。 読み聞かせをきっかけに、食への興味・偏食改善にもつながります。
特に2〜5歳は「模倣期」。 絵本の登場人物が楽しそうに食べている様子を見ることで、 子ども自身も「食べてみよう」と自然に行動を変えていきます。 絵本は“食育の入り口”としても最強のツールなのです。
5. 読み聞かせで育つ“情緒と社会性”
保育の現場では、絵本を通して子どもの“心の変化”をよく感じます。 たとえば『ぐりとぐら』を読むと、 「いっしょに作る」「分ける」「ありがとう」という言葉が自然と出てくる。 これは絵本の物語が、協調性や共感力を優しく教えてくれるからです。
感情の表現が難しい時期の子どもほど、 物語の中の登場人物を通して「気持ちを整理」できることもあります。 「悲しいね」「うれしいね」と言葉を添えるだけでも、 子どもは安心し、感情を言語化できるようになります。
6. 読み聞かせの“環境づくり”も整活の一部
絵本を読む場所・時間を固定することで、子どもは安心して集中できます。 おすすめは、寝る前の10分。 部屋を少し暗くし、静かな音環境を作ることで、 副交感神経が優位になり、眠りの質も上がります。
「絵本コーナー」を作るのも効果的です。 お気に入りの本を見える場所に置いておくと、 子どもが自分から「読んで」と持ってくることも増えます。 読むことを“強制”ではなく、“選択”として感じられるようにするのが整活のコツです。
7. きょうだい・家族みんなで読むときの工夫
年齢の違う兄弟姉妹がいる場合は、それぞれが楽しめるよう工夫しましょう。 小学生なら、弟や妹に読んであげる「おはなし先生役」もおすすめ。 教える立場を経験することで、自己肯定感がぐっと高まります。
また、家族全員で1冊を回し読みする“家族読書デー”もおすすめです。 同じ本を読んでも、感じ方はそれぞれ。 「ママはここが好き」「パパはこっち」と話し合うことで、 家庭の中に“言葉の温度”が生まれます。
8. 読み聞かせ整活のまとめ
読み聞かせは、言葉を教えるための時間ではなく、 心を整えるための時間です。 声のぬくもり、ページをめくる音、絵本の色彩―― すべてが五感を刺激し、子どもの情緒を豊かにしていきます。
本を読むことは“愛を伝える行為”。 忙しい日々でも、1日1冊でいい。 10分の読み聞かせで、子どもの心はぐんと育ちます。 それはきっと、親自身の心を整える時間にもなるはずです。
10月27日、文字・活字文化の日。 ぜひ今日から、「読み聞かせ整活」を始めてみませんか? 親子で過ごすその静かな時間こそ、何よりの贅沢です。
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