噛む力と全身の健康:肥満・認知症予防との関連

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tekowaです。

「よく噛んで食べなさい」と言われる習慣は、単に食事マナーだけではなく、全身の健康を守るための大切な知恵でもあります。噛むこと=咀嚼は、肥満や糖尿病などの生活習慣病の予防、さらには認知症のリスク軽減にも関係しているのです。今回は栄養士・介護福祉士の視点から、噛む力と全身の健康との深い関わりについて解説します。

噛むことが肥満予防につながる理由

噛む回数が少ないと、食べ物がすぐに飲み込まれ、満腹中枢が刺激されにくくなります。その結果、食べ過ぎて肥満につながりやすいのです。逆に、しっかり噛むことで以下の効果が得られます。

  • 満腹感の増加: ゆっくり噛むことで脳の満腹中枢が働き、少量でも満足感が得られる。
  • 消化吸収の改善: 食べ物を細かく砕くことで胃腸の負担が減り、栄養吸収がスムーズになる。
  • 血糖値の安定: 急激な血糖値上昇を防ぎ、肥満や糖尿病予防に効果的。

噛む力不足と肥満の関係

柔らかい食べ物ばかりを好む習慣は、咀嚼不足を招きやすく、結果的に肥満につながります。特に子どもはスナック菓子や加工食品を好む傾向があり、噛む習慣が少ないことで肥満リスクが高まると言われています。また、高齢者も噛む力が弱まり、柔らかい食事に偏ることで栄養バランスが崩れやすくなります。

噛むことが認知症予防につながる理由

咀嚼は脳への血流を促し、海馬(記憶を司る部分)を活性化させることが分かっています。噛む力が低下すると脳への刺激が減り、認知症のリスクが高まる可能性があります。

  • 脳の活性化: 噛む動作は脳の広い領域を刺激し、認知機能を維持する。
  • ストレス軽減: 噛むことでリラックス効果が得られ、ストレス由来の認知機能低下を防ぐ。
  • 社会参加の維持: 食べる楽しみを失わないことが生活意欲やコミュニケーション力を支える。

高齢者の咀嚼力と認知症リスク

介護の現場でも、噛む力が弱い高齢者ほど認知症リスクが高いことが指摘されています。入れ歯や噛みにくさから食事量が減り、低栄養になることで脳の働きも低下しやすいのです。だからこそ、高齢期においても「噛む習慣」を意識的に維持することが、認知症予防の大きな柱になります。

噛む力を育てるためにできること

肥満や認知症予防のために、家庭で取り入れやすい工夫を紹介します。

  • 噛みごたえのある食材を選ぶ: ごぼう、れんこん、きのこ、雑穀など。
  • おやつに工夫: ガム、小魚、ナッツなど噛む習慣を自然に増やす食品を取り入れる。
  • 食事環境の改善: 姿勢を正してゆっくり食べる習慣をつける。
  • 口腔体操: 食前に口の運動をすることで咀嚼や嚥下がスムーズになる。

実体験から見える噛む力の重要性

実際に家庭でも、噛む力の差が生活に影響を与えています。我が家では下の子(2歳9か月)が小魚や堅焼きせんべいを好んで食べ、顎の力がしっかり育っています。一方で上の子(5歳9か月)は噛むことが苦手で、声掛けをしないと飲み込んでしまうこともあります。小さな習慣の積み重ねが、将来の健康リスクを大きく左右するのです。

まとめ:噛む力は全身の健康を守るカギ

噛む力は単に食べるためだけでなく、肥満や認知症を予防するための重要な健康資源です。毎日の食生活の中で「よく噛む」ことを意識するだけで、全身の健康リスクを下げられます。歯ぢから探究月間を通じて、今こそ「噛む習慣」を見直し、未来の健康を守っていきましょう。

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