
tekowaです。
「日本人は野菜不足」とよく耳にしますが、実際のところどれくらい不足しているのでしょうか? 厚生労働省は国民に向けて「1日350g以上の野菜を摂取しましょう」と呼びかけています。しかし現状では、その目標に達している人は多くありません。本記事では、厚労省が示す基準と実際の摂取量の差、世代ごとの傾向、さらに野菜不足の背景と改善のヒントについて詳しく解説します。
厚労省が推奨する「1日350g」
厚生労働省は「健康日本21」や「食事バランスガイド」などの指針の中で、成人は1日350g以上の野菜を摂取することを推奨しています。その内訳は、
- 緑黄色野菜:120g
- 淡色野菜:230g
とされています。緑黄色野菜はβ-カロテンやビタミンCが豊富で、淡色野菜は食物繊維やミネラルをしっかり補給できます。両者をバランスよく組み合わせることで、健康維持に必要な栄養素を効率的に摂取できるのです。
実際の日本人の野菜摂取量
しかし、国民健康・栄養調査(厚労省)によると、2022年時点での日本人の1日平均野菜摂取量はおよそ 280g前後 にとどまっています。つまり、目標である350gには約70g足りていない状況です。
さらに男女別・世代別に見ると次のような傾向があります。
- 男女差:男性よりも女性の方が野菜摂取量は多い傾向にある。
- 年代差:高齢者は比較的摂取量が多いが、20〜40代の若い世代で特に不足が目立つ。
- ライフスタイル差:独身世帯や外食中心の人は野菜不足が顕著。
このように、特に働き盛り世代と若年層における不足が深刻な課題となっています。
野菜不足の背景にあるもの
なぜ多くの日本人が野菜を十分に摂取できていないのでしょうか?背景にはいくつかの要因があります。
- 忙しいライフスタイル:仕事や学業で時間がなく、調理を省略しやすい。
- 外食・中食の増加:コンビニやファストフード中心の食生活では野菜量が不足しがち。
- 価格の変動:天候不順や輸送コストの影響で野菜が高騰すると、購入を控える家庭が増える。
- 調理の手間:洗う・切る・加熱する工程が面倒で敬遠される。
これらの要因が複合的に影響し、目標摂取量に届かない現状が続いています。
野菜不足がもたらすリスク
野菜不足は単に栄養が足りないというだけでなく、具体的な健康リスクを引き起こします。
- 便秘や腸内環境の悪化
- 生活習慣病(糖尿病・高血圧・動脈硬化)のリスク上昇
- 免疫力低下による感染症リスク
- 肌荒れや疲労感の増加
特に食物繊維やビタミン不足は、現代人の不調に直結しているといわれています。
厚労省の目標を達成するには?
350gと聞くと多く感じますが、工夫すれば無理なく達成できます。目安としては「毎食に小鉢1皿の野菜を加える」ことです。具体的には、
- 朝食:野菜入り味噌汁、サラダ、野菜ジュース
- 昼食:野菜炒め、スープ、サンドイッチの具材
- 夕食:煮物、和え物、主菜の付け合わせ
といった形で、1食あたり100〜120gの野菜を取り入れれば目標に近づきます。
すぐに実践できる工夫
忙しい人でも取り入れやすい工夫を紹介します。
- カット野菜や冷凍野菜を活用:調理の手間を省きつつ栄養を確保できる。
- スープや汁物でまとめて摂る:複数種類の野菜を一度に調理可能。
- 常備菜を作る:ほうれん草のお浸しやきんぴらごぼうなどを作り置きしておく。
- 外食時は副菜を追加:定食を選ぶ際にサラダや煮物をプラスする。
こうした小さな工夫を積み重ねることで、日々の摂取量は大きく変わってきます。
まとめ:野菜不足を解消する第一歩を
厚労省が定める「1日350gの野菜摂取量」は、健康維持のために必要な現実的な目標です。しかし現状の日本人の摂取量は不足しており、とくに若い世代で課題が深刻です。野菜不足は生活習慣病や不調のリスクを高めるため、早めの改善が求められます。
野菜の日(8月31日)は、そうした課題を見直す良いきっかけです。日々の食生活に「もう一皿の野菜」を取り入れることから始めてみませんか? 小さな習慣の積み重ねが、健康で豊かな未来をつくります。
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