
tekowaです。
夏の夜空を彩る花火大会。赤、青、緑、紫――さまざまな色の花火が打ち上がるたびに「なんでこんなに色が変わるの?」と不思議に思ったことはありませんか? 実はその色の違い、すべて“化学のチカラ”でつくられているのです。
この記事では、花火の色の変化の仕組みを、化学の視点からわかりやすく解説します。自由研究にもぴったりな「金属の炎色反応」についても取り上げ、夏休みの学びにもつなげていきます。
花火の色は「金属の炎色反応」でできている!
花火の中には、実は「金属の粉末」が入っているのをご存じですか?
この金属粉末は、火薬の爆発とともに高温になり、「炎色反応(えんしょくはんのう)」と呼ばれる現象を起こします。これは、特定の金属が炎の中で熱せられると、独特の色を発するというもの。理科の実験で“アルコールランプで金属をあぶって色を見る”という実験をした人もいるかもしれません。
▼ 主な金属と発色の関係
- ストロンチウム:赤
- 銅:青・緑
- ナトリウム:黄
- カルシウム:橙
- バリウム:緑
- マグネシウム:白い光(強い閃光)
たとえば、赤い花火は「ストロンチウム」、青い花火は「銅」、緑なら「バリウム」などが使われています。花火師さんたちは、これらを絶妙に組み合わせて色のグラデーションを演出しているのです。
花火の色が変わる=科学のエンタメ!
私たちが楽しんでいる花火のショーは、言いかえれば「空で行われる巨大な化学実験」。金属の種類や割合、爆発のタイミングによって、形も色も変化するため、花火師さんたちは毎年入念な調整を行っています。
たとえば「青い花火」は、他の色に比べて非常に作るのが難しいと言われています。これは、銅が高温になると色が変わりやすく、空中でちょうどいい温度になるよう調整する必要があるためです。
自由研究におすすめ:炎色反応のミニ実験!
おうちで花火のような色の変化を体験してみたい方は、「炎色反応の実験」にチャレンジしてみるのがおすすめです。
▼ 実験方法(保護者の方と一緒に)
- 消毒用エタノール
- 金属塩(硫酸銅、硝酸ストロンチウムなど/薬局や理科教材店で購入)
- 耐熱皿とトング
金属塩を含ませた脱脂綿をエタノールに浸し、火をつけて観察すると、金属によって異なる色の炎が見られます。炎の色が変わる瞬間は、まるで小さな花火大会のよう!
※実験時は必ず保護者の方と一緒に行い、火の取り扱いには十分注意してください。
まとめ|花火の色の秘密は“科学の魔法”だった!
夏の夜を彩る花火。その美しさの裏には、化学反応という“科学の魔法”が隠れていました。金属によって色が決まる炎色反応の仕組みを知れば、次に見る花火大会はきっと違って見えるはず。
「この赤はストロンチウムかな?」「あの緑はバリウム?」など、化学目線での“鑑賞”も楽しいですよ。ぜひ、自由研究のテーマとしても取り上げてみてくださいね!
次回は、手持ち花火の火花の違いや時間についての実験を紹介します。お楽しみに!
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