
加熱して酵素の働きを止められるか、実験してみよう
tekowaです。
前編では、ゼリーが固まらない原因のひとつとして「果物に含まれる酵素(プロテアーゼ)」に注目しました。
後編では、酵素の性質に「熱で壊れる(失活する)」という特徴があることをもとに、加熱処理でゼリーが固まるかどうかを調べる実験を行います。
加熱処理した果物を使って再度ゼリー作り
前編と同じ果物を、今度は加熱してからゼリーに入れてみましょう。
実験パターン(加熱ver.)
- 電子レンジや鍋で加熱したパイナップル
- 加熱したキウイ
- 前編と同じ缶詰のパイナップル(加熱済)
- 加熱していない果物(比較用)
この実験で、加熱処理をした果物でもゼリーが固まらない場合は、別の要因があることになります。
反対に、加熱して固まった場合は、「酵素が原因でゼリーが固まらなかった」と証明できるでしょう。
加熱の方法と注意点
電子レンジで加熱する場合は、ラップをふんわりかけて、600Wで30〜60秒ほど温めます。
鍋の場合は、弱火で果物を軽く煮てみましょう。
果物が煮えすぎるとゼリーの中で食感が悪くなるので注意してください。
観察・記録の仕方
前編の実験と同じように、次のような視点で観察しましょう。
- ゼリーの表面や内部がちゃんと固まっているか
- 果物のまわりのゼリーが液体状ではないか
- 冷やした時間は何時間か
- 果物の大きさや加熱時間などの条件
結果をまとめてみよう
以下のような表にすると、実験結果が見やすくなります。
果物 | 加熱の有無 | 固まった? | 観察メモ |
---|---|---|---|
生パイナップル | なし | × | ゼリーが緩い、液体っぽい |
加熱パイナップル | あり | ○ | ぷるんと固まった |
生キウイ | なし | × | ゼリーが部分的にゆるい |
加熱キウイ | あり | ○ | 全体がしっかり固まった |
りんご | なし | ○ | 加熱なしでも固まる |
まとめ:自由研究の発表に使えるポイント
- ゼリーが固まらない原因は果物に含まれる「プロテアーゼ」だった
- 加熱すると酵素が壊れて、ゼリーはしっかり固まる
- 果物によって含まれる酵素の量が違う
- 缶詰は加熱処理されているから安心して使える
酵素のはたらきについて、目で見て実感できるこの実験は、自由研究にぴったりです。
まとめ方次第で、低学年でも高学年でも深掘りできるテーマですよ。
発展編:アガーや寒天ではどうなる?
ゼリーを作るときに使う材料には、ゼラチン以外にも「寒天」や「アガー」があります。
これらは植物由来で、酵素の影響を受けにくいため、生の果物でも固まりやすいです。
もし時間と材料に余裕があれば、寒天やアガーを使って同じ果物で比較してみてもおもしろいですよ。
最後に:発表するときのポイント
- 写真を使ってビフォー・アフターを見せる
- グラフや表で結果を視覚的にまとめる
- 「自分の発見」を入れると評価アップ
「なぜゼリーが固まらないのか?」という疑問から始まり、酵素の働きを知り、実際に確認することで
理科的な視点や仮説・検証の流れがしっかり体験できた自由研究になりました。
おうちにある材料でできるのもポイントです。
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